2018年08月21日

増え行く単身世帯と消費市場への影響(2)-勤労者世帯は食や買い物先で利便性重視、外食志向が強いものの近年は中食へシフト

生活研究部 主任研究員   久我 尚子

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■要旨
 
  • 総務省「家計調査」を用いて単身世帯の具体的な消費内容を捉えた。可処分所得は、壮年(35~59歳)男性>若年(~35歳)男性>壮年女性>若年女性の順に多く、2000年以降いずれも減少傾向にある。消費支出も同様に減少傾向にあり、壮年>若年>高齢(60歳~)の順に多い。若年では消費性向が低下しており、所得の減少以上に消費が減っている。
     
  • 消費内訳では、単身世帯は二人以上世帯と比べて「住居」や若干「教養娯楽」の割合が高く、「教育」や「交通・通信」が低い傾向がある。単身世帯は、若いほど「住居」や「交通・通信」が、高年齢ほど「光熱・水道」や「保険医療」の割合が高い傾向がある。
     
  • 家族世帯との違いの大きな食生活や住生活などを中心に分析したところ、食の面では単身世帯は外食志向が強いものの、節約意識や健康意識の高まりから、近年「中食」へうつっている。また、男性や壮年女性では外食や調理食品の利用が多く、利便性を重視した食生活を送っている。
     
  • 住居面では、若いほど消費支出に占める住居費(家賃)の割合が高く、年齢とともに持家率が高まるが2000年以降で大きな変化はないこと、一方で30代前後の二人以上世帯では2000年以降で持家率は高まっており、税制改正等の影響がうかがえた。
     
  • 教養娯楽面では、二人以上世帯と比べて単身世帯では消費支出に占めるレジャーや旅行費の割合が高い傾向があった。
     
  • 買い物先は、単身世帯では食料はコンビニの利用が多く、衣料は(二人以上世帯でも)、若年で一般小売店やディスカウントストアなどが多い一方、高齢で百貨店が多い傾向がある。食料でも衣料でも、ネットの利用が多いのは30代前後であった。
     
  • 一昔前は、単身世帯は若者の印象が強かっただろうが、現在では約6割が60歳以上であり、この傾向は強まっていく。単身世帯の消費市場を捉えるには、まずは多くが高齢者であるという量的な感覚を押さえた上で、単身世帯共通の消費志向に加えて、性年代による違いに留意した商品・サービスの提供をする必要がある。

■目次

1――はじめに
2――単身世帯の家計収支
  1|単身世帯の可処分所得~2000年以降いずれも減少傾向、壮年男性で減少幅が大きく
   ▲約8万円
  2|単身世帯の消費支出~2000年以降いずれも減少傾向、若者では消費性向が低下
3――単身世帯の消費内訳
  1|単身世帯の特徴~「住居」・「教養娯楽」が多く、「教育」・「交通・通信」が
   少ない
  2|単身世帯の食生活~外食志向が強いものの、近年は中食へ、背景には節約志向や
   健康志向
  3|単身世帯の住生活~若いほど住居費が多い、年齢とともに持家率が上昇
  4|単身世帯の教養娯楽生活~レジャーや旅行が多い、娯楽の多様化で選択肢増
  5|単身世帯の商品購入先~食品は若いほどスーパーよりコンビニ、衣料は
   ディスカウントスト ア・量販店も
4――おわりに~単身世帯の多くは高齢者という量的な感覚を押さえた上で、
  特徴に合う商品・サービスを
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生活研究部   主任研究員

久我 尚子 (くが なおこ)

研究・専門分野
消費者行動、心理統計、保険・金融マーケティング

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