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- 【東南アジア経済】ASEANの貿易統計(8月号)~輸出は10%前後で堅調な拡大が継続
2018年08月08日
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18年6月のASEAN主要6カ国の輸出(ドル建て通関ベース)は前年同月比10.6%増(前月:同12.8%増)と低下した(図表1)。輸出はスマートフォン需要の減速などから昨年に比べて増勢が鈍化しているものの、海外経済の回復や一次産品の価格上昇が全体を押し上げるなど総じて好調を維持している。もっとも米国を中心とする世界的な貿易摩擦の影響で、年後半は輸出の伸びが減速する懸念が燻る。
ASEAN5カ国の仕向け地別の輸出動向を見ると、6月はEU向け(同4.7%増)が大きく鈍化したものの、北米向け(同16.5増)、東アジア向け(同13.2%増)、東南アジア向け(同12.7%増)がそれぞれ二桁増するなど好調だった(図表2)。
ASEAN5カ国の仕向け地別の輸出動向を見ると、6月はEU向け(同4.7%増)が大きく鈍化したものの、北米向け(同16.5増)、東アジア向け(同13.2%増)、東南アジア向け(同12.7%増)がそれぞれ二桁増するなど好調だった(図表2)。
タイの18年6月の輸出額は前年同月比8.2%増(前月:同11.4%増)と低下した。輸出の基調は、海外経済の回復を背景に需要が拡大した自動車・部品や電子機器、価格が上昇した石油製品を中心に高めの伸びを維持している。一方、輸入額が前年同月比10.8%増(前月:同11.7%増)と小幅の低下に止まった結果、貿易収支は15.8億ドルの黒字となり、前月から3.7億ドル改善した(図表3)。
輸出を品目別に見ると、全体の約8割を占める主要工業製品は同8.2%増(前月:同12.6%増)と低下したものの、堅調に拡大した(図表4)。工業製品の内訳を見ると、主力の電子機器(同12.9%増)と石油化学製品(同18.1%増)が好調だったほか、機械・装置(同6.3%増)や自動車・部品(同7.0%増)も堅調に増加した。また鉱業・燃料は同24.6%増(前月:同34.9%増)と、石油製品を中心に11ヵ月連続の二桁増となった。農産品・加工品は同4.5%増(前月:同1.5%増)と上昇した。ゴム製品(同23.1%増)が引き続き好調であり、コメ(同5.6%増)と加工食品(同3.9%増)も底堅い伸びとなった。
輸出を品目別に見ると、全体の約8割を占める主要工業製品は同8.2%増(前月:同12.6%増)と低下したものの、堅調に拡大した(図表4)。工業製品の内訳を見ると、主力の電子機器(同12.9%増)と石油化学製品(同18.1%増)が好調だったほか、機械・装置(同6.3%増)や自動車・部品(同7.0%増)も堅調に増加した。また鉱業・燃料は同24.6%増(前月:同34.9%増)と、石油製品を中心に11ヵ月連続の二桁増となった。農産品・加工品は同4.5%増(前月:同1.5%増)と上昇した。ゴム製品(同23.1%増)が引き続き好調であり、コメ(同5.6%増)と加工食品(同3.9%増)も底堅い伸びとなった。
ベトナムの18年6月の輸出額は前年同月比11.3%増と、前月の同11.3%増から横ばいとなった。輸出の伸び率は昨年好調だった主力の電気・電子製品を中心に増勢が鈍化してきたものの、足元でも高めの水準を維持している。一方、輸入額は前年同月比4.9%増(前月:同12.1%増)と低下した。結果として、貿易収支は前月の8.0億ドルの黒字となり、前月から16.1億ドル改善した(図表5)。
輸出を品目別に見ると、まず輸出全体の約2割を占める電話・部品が同2.9%増(前月:同21.9%減)と上昇して3カ月ぶりのプラスに転じた。またコンピュータ・電子部品は同18.5%増(前月:同23.2%増)と引き続き好調だった。アパレル関連では、織物・衣類が同16.2%増(前月:同22.8%増)と高水準を維持する一方、履物が同4.6%増(前月:同11.6%増)と増勢がやや鈍化した。農産品では、コメ(同18.9%増)と野菜(同20.0%増)が大幅に上昇した一方、ゴム(同7.0%減)やカシューナッツ(同16.6%減)、コーヒー(同2.8%増)が低調に推移するなど、品目毎のバラツキが目立つ。
輸出を資本別に見ると、全体の7割を占める外資系企業が同10.5%増(前月:同8.0%増)が上昇する一方、地場企業が同13.1%増(前月:同19.5%増)と低下した。
輸出を品目別に見ると、まず輸出全体の約2割を占める電話・部品が同2.9%増(前月:同21.9%減)と上昇して3カ月ぶりのプラスに転じた。またコンピュータ・電子部品は同18.5%増(前月:同23.2%増)と引き続き好調だった。アパレル関連では、織物・衣類が同16.2%増(前月:同22.8%増)と高水準を維持する一方、履物が同4.6%増(前月:同11.6%増)と増勢がやや鈍化した。農産品では、コメ(同18.9%増)と野菜(同20.0%増)が大幅に上昇した一方、ゴム(同7.0%減)やカシューナッツ(同16.6%減)、コーヒー(同2.8%増)が低調に推移するなど、品目毎のバラツキが目立つ。
輸出を資本別に見ると、全体の7割を占める外資系企業が同10.5%増(前月:同8.0%増)が上昇する一方、地場企業が同13.1%増(前月:同19.5%増)と低下した。
マレーシアの18年6月の輸出額は前年同月比15.1%増と、前月の同12.7%増から上昇し、12ヵ月連続の二桁増となった。輸出の伸び率は、電気・電子製品や石油製品の需要拡大の影響で好調に推移している。一方、輸入額も前年同月比22.9%増と、前月の同9.2%増から大きく上昇した結果、貿易収支は15.1億ドルの黒字と、前月から5.4億ドル縮小した(図表7)。
輸出を品目別に見ると、全体の約4割を占める機械・輸送用機器は同14.1%増(前月:同8.9%増)と上昇し、主力の電気・電子製品(同14.3%増)を中心に堅調に拡大した(図表8)。また化学製品が同27.0%増(前月:同20.9%増)と好調に推移する一方、動植物性油脂は同21.0%減(前月:同17.3%減)と2カ月連続の大幅マイナスとなった。さらに鉱物性燃料については同14.2%増(前月:同30.4%増)と増勢が鈍化したものの、高水準を維持した。天然ガス(同26.5%減)がマイナスに転じたものの、原油(同34.1%増)と石油製品(同50.4%増)がそれぞれ好調だった。
輸出を品目別に見ると、全体の約4割を占める機械・輸送用機器は同14.1%増(前月:同8.9%増)と上昇し、主力の電気・電子製品(同14.3%増)を中心に堅調に拡大した(図表8)。また化学製品が同27.0%増(前月:同20.9%増)と好調に推移する一方、動植物性油脂は同21.0%減(前月:同17.3%減)と2カ月連続の大幅マイナスとなった。さらに鉱物性燃料については同14.2%増(前月:同30.4%増)と増勢が鈍化したものの、高水準を維持した。天然ガス(同26.5%減)がマイナスに転じたものの、原油(同34.1%増)と石油製品(同50.4%増)がそれぞれ好調だった。
インドネシアの18年6月の輸出額は前年同月比11.5%増(前月:同13.1%増)と低下した。輸出の伸び率は主力の輸出品であるパーム油やゴム製品が落ち込むなどから好調だった昨年に比べて鈍化してきたが、足元ではコモディティの価格上昇を背景に持ち直して高い伸びを維持している。一方、輸入額は前年同月比12.7%増(前月:同28.2%増)と増勢が大きく鈍化した結果、貿易収支は17.4億ドルの黒字と、前月から32.0億ドル改善した(図表9)。
輸出を品目別に見ると、石油ガスこそ同34.8%増(前月:同27.0%増)と大きく上昇したが、全体の9割を占める非石油ガスは同8.6%増(前月:同11.7%増)とやや低下した。非石油ガスの内訳を見ると、まず輸出全体の7割を占める製造品が同0.5%増(前月:同9.3%増)と大きく鈍化した。製造品では、主力の動植物性油脂(同4.0%減)やゴム製品(同19.4%減)、機械類(同6.1%減)、電気機械(同4.3%減)が落ち込んだほか、自動車(同1.4%増)も小幅の増加に止まった。また農産品が同25.7%減(前月:同1.8%減)と低下して大幅マイナスとなった。一方、鉱業品については同58.7%増(前月:同28.1%増)と上昇し、鉱石、スラグ及び灰を中心に高水準を記録した。
輸出を品目別に見ると、石油ガスこそ同34.8%増(前月:同27.0%増)と大きく上昇したが、全体の9割を占める非石油ガスは同8.6%増(前月:同11.7%増)とやや低下した。非石油ガスの内訳を見ると、まず輸出全体の7割を占める製造品が同0.5%増(前月:同9.3%増)と大きく鈍化した。製造品では、主力の動植物性油脂(同4.0%減)やゴム製品(同19.4%減)、機械類(同6.1%減)、電気機械(同4.3%減)が落ち込んだほか、自動車(同1.4%増)も小幅の増加に止まった。また農産品が同25.7%減(前月:同1.8%減)と低下して大幅マイナスとなった。一方、鉱業品については同58.7%増(前月:同28.1%増)と上昇し、鉱石、スラグ及び灰を中心に高水準を記録した。
(2018年08月08日「経済・金融フラッシュ」)
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経歴
- 【職歴】
2008年 日本生命保険相互会社入社
2012年 ニッセイ基礎研究所へ
2014年 アジア新興国の経済調査を担当
2018年8月より現職
斉藤 誠のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
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