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- 110円台回復後のドル円相場、ドル高の流れは続くか?~マーケット・カルテ6月号
2018年05月23日
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今後も中期的には円安ドル高基調が続くと予想されるが、しばらくはドル高の勢いが一服しそうだ。堅調な景気を背景とする米利上げ加速観測がドル高圧力となる一方、中間選挙を控えたトランプ政権は今後も通商・外交面での対外強硬姿勢を崩さず、リスク回避的な円買い局面が増えるだろう。また、7月以降は金融政策正常化に向かうユーロが底入れすることで、対ユーロでのドル売りがドル安の色彩を演出しそうだ。3ヵ月後の水準は現状比概ね横ばいの110円程度と予想している。
ユーロ円は、ユーロ圏の経済指標悪化やイタリア政局への警戒から下落し、足元は130円付近にある。しばらくはユーロの低迷が続きそうだが、経済指標の悪化は一時的とみられ、ECBはそのことを確認したうえで7月に量的緩和の再縮小を決定する可能性が高い。ECBの金融政策正常化に市場の目が向かいやすくなり、ユーロが底入れするだろう。3ヵ月後の水準は133円程度と予想している。
長期金利は、米金利上昇を受けてやや上昇したが、日銀の国債買入れが上昇を抑制する形で足元は0.05%付近にある。米債ヘッジコストの高止まりも円債への需要に繋がり、金利上昇を抑制している。今後も当面はこの構造が続き、長期金利は小動きの展開が予想される。3ヵ月後の金利水準は現状比で横ばい程度とみている。
(執筆時点:2018/5/23)
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2018年05月23日「基礎研マンスリー」)
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03-3512-1870
経歴
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
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