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2018年04月10日
欧州大手保険グループの2017年末SCR比率の状況について(1)-ソルベンシーIIに基づく数値結果報告-
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1―はじめに
欧州大手保険グループの2017年決算の発表が2月から3月にかけて行われており、それに伴い、ソルベンシーII制度に基づく各種数値等も開示されている。今回は、各社の2017年末のSCR比率の状況等について、SCR比率の水準やその感応度及びここ数年における推移等を2回のレポートに分けて報告する。
今回のレポートでは、欧州大手保険グループのSCR比率の水準等について、全体的な状況を報告する。
今回のレポートでは、欧州大手保険グループのSCR比率の水準等について、全体的な状況を報告する。
2―欧州大手保険グループのSCR比率の推移
この図表によれば、例えば、2014年末から2015年末にかけては、AXA、Allianz、Generali(会社)の比率が上昇したのに対して、Prudential の比率は大きく低下している。一方で、2015年末から2016年末にかけては、AXAの比率が低下したのに対して、AllianzやPrudentialの比率は上昇している。
2016年末から2017年末にかけては、市場環境が良好(金利の上昇、クレジットスプレッドの縮小、株価の上昇等)であったこともあり、各社ともSCR比率を(Prudentialを除けば)大きく上昇させている。特に、Generaliは30%ポイント、Aegonは44%ポイントと大幅に水準を上げている。
このように、SCR比率の推移については、各社の資本充実やリスクテイクへの方針の差異等を反映して、その動向は一律ではなく、また必ずしも市場環境に応じて類似のトレンドを示しているわけではない。
さらには、(1)各社の生命保険と損害保険等の事業や地域別の構成比の差異等から、目標とするSCR比率等が異なっている(例えば、PrudentialとAegonは生命保険事業が中心だが、AXA、Allianz、Generali、Zurichは生命保険事業も損害保険事業も大きな位置付けを占めており、さらにはAllianz等では資産管理事業も営業利益のうちの大きなウェイトを占めている)、(2)事業の地域構成の差異からくる為替等の影響の程度が異なっている(例えば、Prudentialはポンド、Zurichは米ドルと主要通貨や新興国通貨との為替レートが公表数値に大きな影響を与える)、(3)規制当局との交渉等を踏まえた内部モデルの変更を実施している会社もある(特に、GeneraliやAegonでその影響が大きい)、等の理由から、単純な各社間の絶対水準や年度間の推移の比較ができない、ことには注意が必要になる。
2016年末から2017年末にかけては、市場環境が良好(金利の上昇、クレジットスプレッドの縮小、株価の上昇等)であったこともあり、各社ともSCR比率を(Prudentialを除けば)大きく上昇させている。特に、Generaliは30%ポイント、Aegonは44%ポイントと大幅に水準を上げている。
このように、SCR比率の推移については、各社の資本充実やリスクテイクへの方針の差異等を反映して、その動向は一律ではなく、また必ずしも市場環境に応じて類似のトレンドを示しているわけではない。
さらには、(1)各社の生命保険と損害保険等の事業や地域別の構成比の差異等から、目標とするSCR比率等が異なっている(例えば、PrudentialとAegonは生命保険事業が中心だが、AXA、Allianz、Generali、Zurichは生命保険事業も損害保険事業も大きな位置付けを占めており、さらにはAllianz等では資産管理事業も営業利益のうちの大きなウェイトを占めている)、(2)事業の地域構成の差異からくる為替等の影響の程度が異なっている(例えば、Prudentialはポンド、Zurichは米ドルと主要通貨や新興国通貨との為替レートが公表数値に大きな影響を与える)、(3)規制当局との交渉等を踏まえた内部モデルの変更を実施している会社もある(特に、GeneraliやAegonでその影響が大きい)、等の理由から、単純な各社間の絶対水準や年度間の推移の比較ができない、ことには注意が必要になる。
3―各社のSCR比率、自己資本、SCRの内訳等(全体像)
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