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「妻の就業」×「家事・育児分担」男性の意識47都道府県マトリクス分析-未婚少子化データ考-男性の本音にみるエリア特性

生活研究部 人口動態シニアリサーチャー 天野 馨南子
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「イクメン」という言葉だけは非常に有名になったものの、日本における男性の育児休業取得率はわずか100人に3人、というレベルであり、「日本には父親の育児休業取得者はほぼいない」といってもいいぐらいの状況が続いている。
なぜ女性だけが育児休業を取得しているのかという議論においては
「男性のほうが圧倒的に長時間労働者割合が高い」
「女性の方が非正規職や一般事務職が多い」
から、母親の方が育児に融通が利くからだろうという「男女雇用機会均等」「女性活躍推進」に関する議論が一般的である。
確かに統計的にも正社員比率の性差などエビデンスの指摘はできる。
しかし、男性の家事・育児参加がすすまない理由は本当にそれだけであろうか。
「男性よりも女性の方が家事や子育てに適性があるのでは?」という日本社会が持つ伝統的な性的に役割を分ける意識が、実はイクメン割合上昇の高い壁となっているということはないだろうか。
本稿では、「イクメン促進の壁となっているかもしれない」要因を、日本の男性の意識の観点から考察してみたい。
男性の意識を47都道府県レベルに掘り下げ、グルーピングすることによって、イクメン社会構築の壁について、エリアグループごとの性質を考察する。
はたして日本においてイクメンという男性の育児を特別視するワードが廃れるほどに男性の育児が一般化する日はやってくるのであろうか。
そしてやってくるのであれば、それはどのエリアからなのであろうか。
■目次
はじめに - 未婚少子化対策の効果を高めるために
1――分析結果を見る上での留意点
2――男性の「家事や子育ては女性が行ったほうがよい」価値観エリア比較
1|「女性に働いて欲しい」+「家事や子育ても女性で」という発想について
2|「家事や子育ては女性が行った方がよい」と考える男性の多いエリアデータ
3|「家事や子育ては女性が行った方がよい」と考える男性の少ないエリアデータ
3――「妻の家事育児分担」×「妻の仕事」価値観マトリクスからわかる
都道府県別の男性の本音
1|マトリクスの設定方法とその結果
2|「運命の彼氏あらわる」と、飛びつく前に
4――おわりに
(2018年03月05日「基礎研レポート」)
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- プロフィール
1995年:日本生命保険相互会社 入社
1999年:株式会社ニッセイ基礎研究所 出向
・【総務省統計局】「令和7年国勢調査有識者会議」構成員(2021年~)
・【こども家庭庁】内閣府特命担当大臣主宰「若い世代の描くライフデザインや出会いを考えるワーキンググループ」構成員(2024年度)
・【こども家庭庁】令和5年度「地域少子化対策に関する調査事業」委員会委員(2023年度)
※都道府県委員職は年度最新順
・【富山県】富山県「県政エグゼクティブアドバイザー」(2023年~)
・【富山県】富山県「富山県子育て支援・少子化対策県民会議 委員」(2022年~)
・【高知県】高知県「元気な未来創造戦略推進委員会 委員」(2024年度)
・【高知県】高知県「中山間地域再興ビジョン検討委員会 委員」(2023年度)
・【三重県】三重県「人口減少対策有識者会議 有識者委員」(2023年度)
・【石川県】石川県「少子化対策アドバイザー」(2023年度)
・【東京商工会議所】東京における少子化対策専門委員会 学識者委員(2023年~)
・【愛媛県法人会連合会】えひめ結婚支援センターアドバイザー委員(2016年度~)
・【公益財団法人東北活性化研究センター】「人口の社会減と女性の定着」に関する情報発信/普及啓発検討委員会 委員長(2021年~)
・【主催研究会】地方女性活性化研究会(2020年~)
・【内閣府特命担当大臣(少子化対策)主宰】「少子化社会対策大綱の推進に関する検討会」構成員(2021年~2022年)
・【内閣府男女共同参画局】「人生100年時代の結婚と家族に関する研究会」構成員(2021年~2022年)
・【内閣府委託事業】「令和3年度結婚支援ボランティア等育成モデルプログラム開発調査 企画委員会 委員」(内閣府委託事業)(2021年~2022年)
・【内閣府】「地域少子化対策重点推進交付金」事業選定審査員(2017年~)
・【内閣府】地域少子化対策強化事業の調査研究・効果検証と優良事例調査 企画・分析会議委員(2016年~2017年)
・【内閣府特命担当大臣主宰】「結婚の希望を叶える環境整備に向けた企業・団体等の取組に関する検討会」構成メンバー(2016年)
・【富山県】富山県成長戦略会議真の幸せ(ウェルビーイング)戦略プロジェクトチーム 少子化対策・子育て支援専門部会委員(2022年~)
・【長野県】伊那市新産業技術推進協議会委員/分野:全般(2020年~2021年)
・【佐賀県健康福祉部男女参画・こども局こども未来課】子育てし大県“さが”データ活用アドバイザー(2021年~)
・【愛媛県松山市「まつやま人口減少対策推進会議」専門部会】結婚支援ビッグデータ・オープンデータ活用研究会メンバー(2017年度~2018年度)
・【中外製薬株式会社】ヒト由来試料を用いた研究に関する倫理委員会 委員(2020年~)
・【公益財団法人東北活性化研究センター】「人口の社会減と女性の定着」に関する意識調査/検討委員会 委員長(2020年~2021年)
日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
日本労務学会 会員
日本性差医学・医療学会 会員
日本保険学会 会員
性差医療情報ネットワーク 会員
JADPメンタル心理カウンセラー
JADP上級心理カウンセラー
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