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中国経済見通し~マクロプルーデンス政策の強化で「安定成長」へ軟着陸、リスクの所在は住宅バブル崩壊

三尾 幸吉郎
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1.中国経済の概況
一方、需要別に見ると、最終消費は4.1ポイントのプラス寄与と16年の4.5ポイントを0.4ポイント下回った。但し、成長率への寄与率は58.8%と4年連続で最大のプラス要因となった。また、総資本形成は2.2ポイントのプラス寄与と16年の2.9ポイントを0.7ポイント下回った。2009年の8.1ポイントをピークに低下傾向が続いている。このように最終消費と総資本形成が寄与度を下げるなか、実質成長率を押し上げたのは純輸出だった。17年の純輸出は0.6ポイントのプラス寄与と16年の▲0.7ポイントからプラスに転じた(図表-3)。
2.消費の動向

3.投資の動向

なお、新興産業の投資が期待どおりに伸びず景気が失速しそうになれば、官民連携(PPP)のプロジェクトを推進して、失速を回避するだろう。中国では、大気汚染対策、水質汚染対策、土壌汚染対策、ごみ処理能力増強など環境関連や、中国共産党・政府が2014年3月に発表した「新型都市化計画(2014~2020年)1」に伴う交通物流関連の需要が大きいため、新興産業の投資が鈍化した場合には、17.8兆元(約300兆円)とされるPPPの着工を急ぐことが可能である(図表-7)。
1 新型都市化が生み出す投資需要は巨大で2020年までの累計で42兆元に達すると試算されている(中国財政部)。スケジュールとしては2017年までが試行地域における先行実施期間となり、その成果を踏まえて2018-20年には全国展開される予定。なおこれに関連して、2016年5月11日には投資総額4.7兆元に及ぶ交通インフラ整備3ヵ年計画(2016-18年)が発表された。
(2018年02月21日「Weekly エコノミスト・レター」)
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