2017年10月24日

ドイツの生命保険会社の状況(3)-BaFinの2016年Annual Report等より(低金利環境下での生命保険会社の状況)-

保険研究部 研究理事   中村 亮一

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■要旨

前回前々回のレポートでは、新しいソルベンシーII制度がスタートして1年間を踏まえての、ソルベンシーII制度に関係する項目についてのドイツの生命保険会社を巡る状況を、保険監督官庁であるBaFinの2016年Annual Report(年次報告書)からの記述を中心に報告してきた。

今回のレポートでは、引き続き注目の的となっている低金利環境下でのドイツの生命保険会社の状況について、報告する。

ドイツの生命保険会社は、(1)伝統的に養老保険等の長期の利率保証型商品が主力であったため、現時点においても責任準備金に占める利率保証型商品のウェイトが高く、負債のデュレーションがかなり長くなっている。(2)その平均的な保証水準を示す平均予定利率は引き続き2.9%程度と、現在の市場金利等に比べてかなり高い水準にとどまっている。(3)一方で、資産サイドにおいては、債券・貸付等の確定利付資産が極めて高い割合を占めているが、債券市場は10年国債が中心であり、資産のデュレーションは、負債に比べてかなり短いものとなっている。(4)そのため、資産と負債の間に大きなデュレーション・ギャップが発生している状況にある。(5)また、これらの結果として、現在のような長期に低金利環境が継続する中では、収益面で大きなマイナスの影響を受けるリスクを抱える構造になっている。

こうした状況については、これまでいくつかのレポートで報告してきた。

今回は、BaFinの2016年Annual Reportをベースに、格付機関からのレポート等も参照して、低金利環境下でのドイツの生命保険会社の最近の状況について報告する。

■目次

1―はじめに
2―低金利環境下における生命保険会社の状況について
  1|BaFinのFelix Hufeld長官の声明
  2|Annual Report の中での記述
  3|低金利が生命保険会社に与えている影響について
  4|低金利環境に焦点を当てたEIOPAストレステスト2016
3―責任準備金の最高予定利率を巡る状況について
4―ZZRを巡る最近の状況について
  1|ZZR制度による追加責任準備金の積立状況
  2|2017年度決算におけるZZRの積立額想定と今後の動向
  3|ZZR積立による効果
  4|ZZRの見直しを巡る動き
5―生命保険会社の収支の将来予測について
6―まとめ
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保険研究部   研究理事

中村 亮一 (なかむら りょういち)

研究・専門分野
保険会計・計理

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