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- 景気ウォッチャー調査(17年5月)~旺盛な受注を背景に、企業関連が景況感を押し上げ~
1.景気の現状判断DI(季節調整値):2ヵ月連続の改善、景況感は持ち直しへ
今回の調査では、企業関連は、建設業などの受注が好調であり、懸念となっていた人件費や原材料価格の上昇を価格に転嫁する企業も出てきており、全体の景況感を押し上げた。家計関連においては、客数が伸びている一方で、客単価は伸びていない。また、自動車や住宅の購入には慎重との声が聞かれた。
2.企業関連が大幅に改善
雇用関連では、「求人倍率は高止まりであり、企業の採用が難しくなっているなか、採用に費用をかけるケースが増えている。営業職や各種エンジニアなどの専門職といった幅広い職種での募集が増えている」(東北・人材派遣会社)など、幅広い業種で労働需給が逼迫しているとのコメントが引き続き目立った。
3.景気の先行き判断DI(季節調整値):2ヵ月連続の改善
企業動向関連では、「鉄鋼向け大規模改修など大型注文の製造が始まり、当面生産量が高止まりの状況になるので多忙になる」(中国・窯業・土石製品製造業)と、今後も受注の増加が見込まれているとするコメントがみられる。一方で、「好調な出荷が継続すれば、業績が上向くので景気は良くなるが、原料価格の上昇が予想されるなど楽観視できる状況ではない」(中国・化学工業)や「海外仕入れ原料、製品の高騰、国内水産原料は高値で推移している。小売店は販売価格に転嫁できず、利益を圧迫していく」(四国・食料品製造業)など、原材料価格の上昇による業績悪化を指摘するコメントがみられた。また、「人手不足で手取り収入のアップ、作業の効率化が進んでいる。同時に、専業への特化による効率化も図られている」(四国・食料品製造業)など、人件費が増す中、業務の効率化に取り組んでいるというコメントもみられた。
雇用関連では、「新卒求人が活発になっており、企業側の採用意欲を感じる。学生の就職活動にも拍車がかかっている」(沖縄・学校)など、売り手市場になっている新卒の就職活動について言及するコメントが目立った。一方で、「求人条件に見合う求職者が少なく、採用決定が停滞する状況が続く」(東海・人材派遣会社)など、求職者と求人の条件が合わず、ミスマッチが起きているというコメントもみられた。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
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白波瀨 康雄
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(2017年06月09日「経済・金融フラッシュ」)
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