- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 日本経済 >
- 景気ウォッチャー調査(17年3月)~停滞感強まり、人手不足、仕入れ価格の上昇は先行きの不安材料に~
景気ウォッチャー調査(17年3月)~停滞感強まり、人手不足、仕入れ価格の上昇は先行きの不安材料に~

白波瀨 康雄
このレポートの関連カテゴリ
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
3.景気の先行き判断DI(季節調整値):2ヵ月ぶりに悪化
企業動向関連では、「原材料価格は上がるものの、販売価格に転嫁できず、行き詰っている」(南関東・精密機械器具製造業)などのように、販売価格への転嫁は難しいとするコメントが多く寄せられた。「需要減少のなか、中国経済減速、原油・資源価格動向、地政学上のリスク、米国や欧州の政治動向など、不透明感が強まっている」(四国・一般機械器具製造業)といったように、トランプ政権の動向を始め世界情勢について不安視する声が目立った。
雇用関連では、「競合他社との求職者の取り合いはますます激しくなり、人材の採用コストが増大する」(東海・人材派遣会社)など、希望する人材を確保するコストが増していくことを懸念するコメントがみられた。

「プレミアムフライデーについては、まだ一般的に定着しておらず、継続して各種サービスを実施し集客策として育てている最中である」(南関東・百貨店)といったように、前向きなコメントもみられたが、「プレミアムフライデーの影響は皆無で、客からは何も聞こえてこない」(南関東・都市型ホテル)と効果がなかったとするコメントがほとんどだった。
景況感は、円安・株高による支えがなくなり、停滞感が強まっている。地政学リスクやトランプ新政権の政策運営など海外情勢の不透明感が高まっており、金融市場が不安定になれば、一段とマインドに悪影響をもたらす可能性がある。仕入れ価格の上昇や人手不足も企業経営の足枷となっており、不安要素が増えている。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2017年04月11日「経済・金融フラッシュ」)
このレポートの関連カテゴリ
白波瀨 康雄
白波瀨 康雄のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2019/04/05 | 都道府県別にみたホテルの稼働率予測ーインバウンド拡大に伴う建設が進み、一部地域では供給過剰も | 白波瀨 康雄 | 基礎研マンスリー |
2019/02/18 | 都道府県別にみた宿泊施設の稼働率予測~インバウンド拡大に伴うホテル建設が進み、一部地域では供給過剰も~ | 白波瀨 康雄 | 基礎研レポート |
2019/01/29 | 広がる物価の世代間格差~先行きは消費税率引き上げに伴い一段と拡大~ | 白波瀨 康雄 | 研究員の眼 |
2018/12/12 | 企業物価指数(2018年11月)~石油製品の下落を受けて前月比で8ヵ月ぶりの下落~ | 白波瀨 康雄 | 経済・金融フラッシュ |
新着記事
-
2025年04月18日
資金決済法の改正案-デジタルマネーの流通促進と規制強化 -
2025年04月18日
消費者物価(全国25年3月)-コアCPI上昇率は25年度入り後も3%台が続く公算 -
2025年04月17日
「新築マンション価格指数」でみる東京23区のマンション市場動向【2024年】~都心は価格上昇が加速。一方、下期にかけて南西部は伸び率鈍化、北部と東部は下落に転じる。 -
2025年04月17日
令和の米騒動が起きた背景と農業の現状~米の価格高騰はなぜ起きた?~ -
2025年04月17日
貿易統計25年3月-1-3月期の外需寄与度は前期比▲0.6%程度のマイナス、4月以降の輸出の落ち込みは不可避
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
【景気ウォッチャー調査(17年3月)~停滞感強まり、人手不足、仕入れ価格の上昇は先行きの不安材料に~】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
景気ウォッチャー調査(17年3月)~停滞感強まり、人手不足、仕入れ価格の上昇は先行きの不安材料に~のレポート Topへ