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- ブラジルの10-12月期GDPは前期比0.9%減~8四半期連続のマイナス成長~
1.四半期GDP概況(需要側):内外需ともにマイナス成長。民間消費は8期連続マイナス成長
政府消費は、同0.1%増と前期の同0.4%減からプラスに転じたものの、緊縮的な財政政策もあって、景気の下支え役となるには至らなかった。
純輸出は、輸出が同1.8%減、輸入が同3.2%増となった結果、成長率寄与度が▲0.6%ポイント(前期:同▲0.0%ポイント)と大きく落ち込んだ。
通関ベースで見ると、輸出は、前年比で半製品や完成品は増加したものの、一次産品が減少し、全体として減少した。輸出を数量ベースで見ると、前年同期比で大きく減少したが、鉄鉱石や砂糖等のコモディティ価格が回復し、金額ベースの減少を押しとどめた。輸入は、中間財が微増したものの、民間消費や投資の低迷を受けて、工作機械などの資本財と原油などの基礎燃料が大幅に減少し、全体として減少した。
1 アメリカで始まった、11月の第4木曜日の「感謝祭」翌日に、特売を行う商習慣。ブラジルでは10月から前倒しで特売を行う店もある。
2.四半期GDP概況(供給側):サービス業は8期連続マイナス成長
3.先行きのポイント
レアルの上昇を受けてインフレ率は低下し、中央銀行の見通しでは17年にはインフレ目標(3.0%~6.0%)の中央値4.5%を達成すると見られ、民間消費の持ち直しが期待される(図表4)。また、中央銀行は、インフレ率の低下を受けて、昨年10月以降、Selic(政策誘導金利)を4回にわたって、計2%(14.25%→12.25%)引き下げている。2月の通貨政策委員会(Copom)では更なる利下げを示唆しており、総固定資本形成の回復が期待される。
2017年の中国経済は底堅く、資源価格も堅調に推移することが見込まれるため、レアルは、今後も堅調に推移するだろう。16年12月に米国で利上げが行われたが、レアル高基調は変わらず、現在のところ米国の金融引締めによる大きな影響は見られない。当研究所では、17年内に米国が2回の利上げを行うと予想しているが、レアルへの大きな影響はないと予想する。
また純輸出についても、2017年に入って一次産品を中心に輸出が増加に転じている。ブラジルの輸出は地域別では中国、財別では一次産品の割合が高いため、引き続き堅調に推移するであろう。
このように、明るい兆しも見られるため、ブラジル経済は、今後徐々に底打ちに向かうと予想する。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
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(2017年03月10日「経済・金融フラッシュ」)
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