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中国経済:2016年の概況と2017年の注目点~住宅バブル、自動車販売、トランプシフトの行方に注目!
三尾 幸吉郎
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1.2016年の経済概況
中国の経済成長率が上向いてきた。1月20日に中国国家統計局が公表した10-12月期の実質GDP成長率は前年同期比6.8%増となり、2年ぶりに前四半期の伸びを上回った(図表-1)。内訳を見ると、第1次産業は前年同期比2.9%増、第2次産業は同6.1%増、第3次産業は同8.3%増だった。第3次産業が引き続き高い伸びを示し経済を牽引するとともに、ここもと経済成長の足かせとなっていた第2次産業も、1-3月期の伸び(同5.9%増)をボトムに4-6月期は同6.3%増、7-9月期は同6.1%増、10-12月期は同6.1%増と、低水準ながらも底割れを回避した。なお、2016年の実質成長率は前年比6.7%増となり、目標としていた“6.5-7%”の範囲内に納まった。
一方、インフレ率は原油高、人民元安、住宅価格上昇などを受けてやや上昇した。2016年の消費者物価は前年比2.0%上昇と2015年の同1.4%上昇を上回った。また、工業生産者出荷価格は同1.4%低下と2015年の同5.2%低下から下落ペースが鈍化した。これを受けて名目成長率が実質成長率を下回る“名実逆転”は解消、2016年の名目成長率は前年同期比8.0%増と、実質成長率(同6.7%増)を1.3ポイント上回った。過剰生産能力を背景としたデフレ懸念は依然として根強いものの、供給面では鉄鋼の大型合併など構造改革に対する期待が高まっており、需要面でもインフラ整備の加速に伴い需要が増えたことから需給バランスが改善して、デフレ圧力はやや緩和してきた。なお、工業生産者出荷価格は消費者物価の先行指標でもあることから、消費者物価への影響が懸念される(図表-3)。
2.製造業は持ち直し、非製造業は堅調を維持
1 中国では、統計方法の改定時に新基準で計測した過去の数値を公表しない場合が多く、また1月からの年度累計で公表される統計も多い。本稿では、四半期毎の伸びを見るためなどの目的で、ニッセイ基礎研究所で中国国家統計局などが公表したデータを元に推定した数値を掲載している。またその場合には“(推定)”と付して公表された数値と区別している。
(2017年01月26日「Weekly エコノミスト・レター」)
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