- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 保険 >
- 保険計理 >
- 人間の直感の不確実性-数学的な正しさと乖離している場合があることを知っていますか-
コラム
2016年09月06日

文字サイズ
- 小
- 中
- 大
具体例
2つのサイコロの目
もう一つ、人間の直感と数学的な正しさが異なってくる簡単な例を紹介する。
サイコロの6つの面に、○が3つ、△が2つ、×が1つ描かれているとする。このサイコロを2つ用意して、同時に転がしたときに、どの2つの印の組み合わせが最も高い確率で現われるのか、という問題である。
直感的には、多くの人が、○の面が一番多いのだから、「○と○」という組み合わせが最も高い確率で現われるのではないか、と考えると思われる。ところが、この直感は間違っている。
非常に簡単なことだが、6×6の全ての36通りの組み合わせを書き出してみると、以下の通りとなる。よって、「○と△」という組み合わせが12通りあって、確率が最も高いことがわかる。「○と○」の組み合わせは9通りとなっている。
もちろん、これは算式でも簡単に示すことができる。「○と○」となる確率は1/4(=3/6×3/6)であり、「○と△」となる確率は1/3(=3/6×2/6+2/6×3/6)となる。
サイコロの6つの面に、○が3つ、△が2つ、×が1つ描かれているとする。このサイコロを2つ用意して、同時に転がしたときに、どの2つの印の組み合わせが最も高い確率で現われるのか、という問題である。
直感的には、多くの人が、○の面が一番多いのだから、「○と○」という組み合わせが最も高い確率で現われるのではないか、と考えると思われる。ところが、この直感は間違っている。
非常に簡単なことだが、6×6の全ての36通りの組み合わせを書き出してみると、以下の通りとなる。よって、「○と△」という組み合わせが12通りあって、確率が最も高いことがわかる。「○と○」の組み合わせは9通りとなっている。
もちろん、これは算式でも簡単に示すことができる。「○と○」となる確率は1/4(=3/6×3/6)であり、「○と△」となる確率は1/3(=3/6×2/6+2/6×3/6)となる。
直感力を養うことの重要性
このように、人間の直感は、結構当てにならないことがわかる。
物事を進めていく上で、過去の経験等に基づいた直感を働かせることはもちろん重要なことであるが、時として、その直感が誤ったものとなっていることがある。
こうした直感は、経験を積むことを通じて、感度を高め、磨きをかけていくことが可能だと思われる。その意味では、いろいろなケースを学ぶことを通じて、知識を充実させていくことが、いざという時に役立つ、適切な直感力を発揮する上でも、重要なことであると、改めて感じさせられる。
物事を進めていく上で、過去の経験等に基づいた直感を働かせることはもちろん重要なことであるが、時として、その直感が誤ったものとなっていることがある。
こうした直感は、経験を積むことを通じて、感度を高め、磨きをかけていくことが可能だと思われる。その意味では、いろいろなケースを学ぶことを通じて、知識を充実させていくことが、いざという時に役立つ、適切な直感力を発揮する上でも、重要なことであると、改めて感じさせられる。
(2016年09月06日「研究員の眼」)
中村 亮一のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/06/13 | 欧州保険会社が2024年のSFCR(ソルベンシー財務状況報告書)を公表(2)-SCRの算出(内部モデルの使用状況と分散効果の状況等)- | 中村 亮一 | 保険・年金フォーカス |
2025/06/06 | 欧州保険会社が2024年のSFCR(ソルベンシー財務状況報告書)を公表(1)-長期保証措置と移行措置の適用状況- | 中村 亮一 | 保険・年金フォーカス |
2025/06/05 | IAIGsの指定の公表に関する最近の状況(13)-新たに1社が指定されてIAIGsは19の国・地域からの60社に- | 中村 亮一 | 保険・年金フォーカス |
2025/05/28 | 複素数について(その2)-複素数と方程式- | 中村 亮一 | 研究員の眼 |
新着記事
-
2025年06月13日
インド消費者物価(25年5月)~5月のCPI上昇率は+2.8%、食品価格の低下が続いて6年ぶりの低水準に -
2025年06月13日
年齢制限をすり抜ける小学生たち -
2025年06月13日
欧州保険会社が2024年のSFCR(ソルベンシー財務状況報告書)を公表(2)-SCRの算出(内部モデルの使用状況と分散効果の状況等)- -
2025年06月13日
DeepSeekに見るAIの未来 -近年のAI進化の背景とは -
2025年06月13日
株主提案による役員選任議案-フジメディア・ホールディングス
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
【人間の直感の不確実性-数学的な正しさと乖離している場合があることを知っていますか-】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
人間の直感の不確実性-数学的な正しさと乖離している場合があることを知っていますか-のレポート Topへ