- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 金融・為替 >
- 金融市場・外国為替(通貨・相場) >
- Brexitを受けた為替の見通し~金融市場の動き(7月号)
2016年07月08日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
3.金融市場(6月)の動きと当面の予想
(10年国債利回り)
6月の動き 月初▲0.1%台前半からスタートし、月末は▲0.2%台前半に。
月上旬は▲0.1%台前半での推移が続いたが、Brexitへの警戒や日銀追加緩和への思惑から10日には▲0.1%台後半へと低下。Brexitへの警戒がさらに強まり、15日には▲0.2%を付けた。その後、17日には高値警戒感から▲0.1%台後半へと上昇し、以降しばらくは▲0.1%台半ばでの推移に。しかし、24日には英国のEU離脱が決定したことでリスク回避の債券買いが優勢となり、再び▲0.2%へ。さらに28日には▲0.2%台前半まで低下、月末も同水準で終了した。
当面の予想
今月に入ってもリスク回避姿勢が続いているうえ、日銀追加緩和観測の高まりもあって、足元は▲0.2%台後半まで金利低下が進んでいる。特段の金利上昇材料が見当たらないなか、リスク回避に伴って金利が低下しやすい地合いにあるが、0.3%近くでは高値警戒感も出てくると思われる。しばらくは0.2%台後半を中心とするレンジでの一進一退の展開を予想している。その後は月末の日銀決定会合が最大の焦点になる。0.1%程度のマイナス金利拡大を伴う追加緩和に踏み切れば、金利は現行水準で定着しどうだ。もし見送れば、これまで前のめりに織り込まれてきただけに、一旦金利は上昇するだろう。
6月の動き 月初▲0.1%台前半からスタートし、月末は▲0.2%台前半に。
月上旬は▲0.1%台前半での推移が続いたが、Brexitへの警戒や日銀追加緩和への思惑から10日には▲0.1%台後半へと低下。Brexitへの警戒がさらに強まり、15日には▲0.2%を付けた。その後、17日には高値警戒感から▲0.1%台後半へと上昇し、以降しばらくは▲0.1%台半ばでの推移に。しかし、24日には英国のEU離脱が決定したことでリスク回避の債券買いが優勢となり、再び▲0.2%へ。さらに28日には▲0.2%台前半まで低下、月末も同水準で終了した。
当面の予想
今月に入ってもリスク回避姿勢が続いているうえ、日銀追加緩和観測の高まりもあって、足元は▲0.2%台後半まで金利低下が進んでいる。特段の金利上昇材料が見当たらないなか、リスク回避に伴って金利が低下しやすい地合いにあるが、0.3%近くでは高値警戒感も出てくると思われる。しばらくは0.2%台後半を中心とするレンジでの一進一退の展開を予想している。その後は月末の日銀決定会合が最大の焦点になる。0.1%程度のマイナス金利拡大を伴う追加緩和に踏み切れば、金利は現行水準で定着しどうだ。もし見送れば、これまで前のめりに織り込まれてきただけに、一旦金利は上昇するだろう。
(ドル円レート)
6月の動き 月初110円台後半からスタートし、月末は102円台後半に。
月初、110円台でスタートした後、米雇用統計の大幅な下振れを受けて、6日には106円台後半へと円が急伸。その後は106円台から107円台での一進一退となったが、16日には日銀の追加緩和見送りを受けて円高が進行、104円台に突入した。以降しばらく英国のEU離脱を問う国民投票を控えて104円台での小動きが続いたが、24日にはEU離脱決定を受けて101円台半ば(一時100円割れ)に円が急伸。終盤は政策期待などからリスク回避が一服し、やや円安に振れたが、ドルの上値は重く、月末も102円台後半で着地した。
当面の予想
今月に入り、Brexitの影響への警戒感の高まりや、ハト派色の強い6月FOMC議事要旨を受けて円高が進み、足元は100円台後半で推移している。今後も米国の早期利上げが見込めない以上、ドルの上値は重く、悪材料が出た際には円の上値を試しに行く展開が続きそうだ。目先の焦点は本日夜の米雇用統計。前回があまりにも悪い結果だっただけに、米雇用のトレンドを占ううえで非常に重要な位置付けにある。市場予想(Bloomberg集計:雇用18万人増、失業率4.8%、賃金上昇率0.2%)並みか予想を上回る結果となれば、ドル高反応が出ると見込まれるが、早期利上げが見込めない以上、ドルの上昇幅は限定的となる。予想を下回った場合は再び100円割れも。
6月の動き 月初110円台後半からスタートし、月末は102円台後半に。
月初、110円台でスタートした後、米雇用統計の大幅な下振れを受けて、6日には106円台後半へと円が急伸。その後は106円台から107円台での一進一退となったが、16日には日銀の追加緩和見送りを受けて円高が進行、104円台に突入した。以降しばらく英国のEU離脱を問う国民投票を控えて104円台での小動きが続いたが、24日にはEU離脱決定を受けて101円台半ば(一時100円割れ)に円が急伸。終盤は政策期待などからリスク回避が一服し、やや円安に振れたが、ドルの上値は重く、月末も102円台後半で着地した。
当面の予想
今月に入り、Brexitの影響への警戒感の高まりや、ハト派色の強い6月FOMC議事要旨を受けて円高が進み、足元は100円台後半で推移している。今後も米国の早期利上げが見込めない以上、ドルの上値は重く、悪材料が出た際には円の上値を試しに行く展開が続きそうだ。目先の焦点は本日夜の米雇用統計。前回があまりにも悪い結果だっただけに、米雇用のトレンドを占ううえで非常に重要な位置付けにある。市場予想(Bloomberg集計:雇用18万人増、失業率4.8%、賃金上昇率0.2%)並みか予想を上回る結果となれば、ドル高反応が出ると見込まれるが、早期利上げが見込めない以上、ドルの上昇幅は限定的となる。予想を下回った場合は再び100円割れも。
(ユーロドルレート)
6月の動き 月初1.11ドル台後半からスタートし、月末は1.11ドル付近に。
月初、1.11ドル台で推移した後、期待はずれの米雇用統計を受けて6日に1.13ドル台半ばへユーロが上昇。その後はBrexitへの警戒からポンド安とともにユーロ安圧力が強まり、13日には1.12ドル台へ。さらに16日には1.11ドル台を付ける。その後、英国での残留派議員襲撃を受けて残留派盛り返しの観測が強まり、20日には1.13ドル台へと上昇し、しばらく高値で推移した。しかし、24日には英国のEU離脱決定を受けて1.10ドル台へと急落することとなり、月末も1.11ドル付近で終了した。
当面の予想
今月に入り、Brexitの影響への警戒が高まったことでややユーロ安となり、足元は1.10ドル台後半で推移している。今後もBrexit問題への警戒感は続き、経済的な繋がりが深いユーロにも下落圧力がかかりやすい。英国・ユーロ圏の経済指標の下振れ、追加緩和への期待、EU離脱ドミノを連想させる動きなどの材料を受けて、ユーロ安が進む可能性が高い。目先の焦点はドル円同様、本日の米雇用統計となるが、いずれにせよ、最近のトレンド・地合いを一変させることにはならないと見ている。
6月の動き 月初1.11ドル台後半からスタートし、月末は1.11ドル付近に。
月初、1.11ドル台で推移した後、期待はずれの米雇用統計を受けて6日に1.13ドル台半ばへユーロが上昇。その後はBrexitへの警戒からポンド安とともにユーロ安圧力が強まり、13日には1.12ドル台へ。さらに16日には1.11ドル台を付ける。その後、英国での残留派議員襲撃を受けて残留派盛り返しの観測が強まり、20日には1.13ドル台へと上昇し、しばらく高値で推移した。しかし、24日には英国のEU離脱決定を受けて1.10ドル台へと急落することとなり、月末も1.11ドル付近で終了した。
当面の予想
今月に入り、Brexitの影響への警戒が高まったことでややユーロ安となり、足元は1.10ドル台後半で推移している。今後もBrexit問題への警戒感は続き、経済的な繋がりが深いユーロにも下落圧力がかかりやすい。英国・ユーロ圏の経済指標の下振れ、追加緩和への期待、EU離脱ドミノを連想させる動きなどの材料を受けて、ユーロ安が進む可能性が高い。目先の焦点はドル円同様、本日の米雇用統計となるが、いずれにせよ、最近のトレンド・地合いを一変させることにはならないと見ている。
(2016年07月08日「Weekly エコノミスト・レター」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1870
経歴
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
上野 剛志のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/04/18 | トランプ関税発の円高は止まるか?~マーケット・カルテ5月号 | 上野 剛志 | 基礎研マンスリー |
2025/04/11 | 貸出・マネタリー統計(25年3月)~貸出金利は上昇中だが、貸出残高は増勢を維持、現金・普通預金離れが進む | 上野 剛志 | 経済・金融フラッシュ |
2025/04/07 | トランプ関税と円相場の複雑な関係~今後の展開をどう見るか? | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/04/01 | 日銀短観(3月調査)~日銀の言う「オントラック」を裏付ける内容だが、トランプ関税の悪影響も混在 | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
新着記事
-
2025年05月01日
日本を米国車が走りまわる日-掃除機は「でかくてがさつ」から脱却- -
2025年05月01日
米個人所得・消費支出(25年3月)-個人消費(前月比)が上振れする一方、PCE価格指数(前月比)は総合、コアともに横這い -
2025年05月01日
米GDP(25年1-3月期)-前期比年率▲0.3%と22年1-3月期以来のマイナス、市場予想も下回る -
2025年05月01日
ユーロ圏GDP(2025年1-3月期)-前期比0.4%に加速 -
2025年04月30日
2025年1-3月期の実質GDP~前期比▲0.2%(年率▲0.9%)を予測~
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
【Brexitを受けた為替の見通し~金融市場の動き(7月号)】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
Brexitを受けた為替の見通し~金融市場の動き(7月号)のレポート Topへ