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- 家計調査16年5月~家計調査は若干強めだが、消費全体は横ばい圏
2016年07月01日
1.4-6月期の消費支出は前期比増加へ
総務省が7月1日に公表した家計調査によると、16年5月の実質消費支出は前年比▲1.1%(4月:同▲0.4%)と3ヵ月連続で減少した。減少幅は前月から拡大したが、事前の市場予想(QUICK集計:前年比▲1.4%、当社予想は同▲1.9%)は若干上回った。前月比では▲1.5%(4月:同0.2%)と4ヵ月ぶりに減少した。月々の振れが大きい住居、自動車などを除いた実質消費支出(除く住居等)は前年比▲0.9%(4月:同0.4%)、前月比▲2.0%(4月:同2.9%)といずれも2ヵ月ぶりに減少した。
実質消費支出の動きを項目別に見ると、食料(前年比1.2%)、被服及び履物(同3.0%)、交通・通信(同4.7%)など10項目中5項目が前年比で増加(5項目が減少)したが、教育(前年比▲10.5%)、住居(同▲4.9%)、その他の消費支出(同▲7.1%)の減少幅が大きかったため、全体では減少となった。
実質消費水準指数(除く住居等、季節調整値)は前月比▲0.4%(4月:同2.3%)と2ヵ月ぶりに低下したが、4月の伸びが高かったため、4、5月の指数平均は1-3月期を2.1%上回っている。同指数は15年10-12月期が前期比▲2.3%、16年1-3月期が同▲0.2%と低迷が続いていたが、4-6月期は3四半期ぶりの上昇となる可能性が高まった。
実質消費支出の動きを項目別に見ると、食料(前年比1.2%)、被服及び履物(同3.0%)、交通・通信(同4.7%)など10項目中5項目が前年比で増加(5項目が減少)したが、教育(前年比▲10.5%)、住居(同▲4.9%)、その他の消費支出(同▲7.1%)の減少幅が大きかったため、全体では減少となった。
実質消費水準指数(除く住居等、季節調整値)は前月比▲0.4%(4月:同2.3%)と2ヵ月ぶりに低下したが、4月の伸びが高かったため、4、5月の指数平均は1-3月期を2.1%上回っている。同指数は15年10-12月期が前期比▲2.3%、16年1-3月期が同▲0.2%と低迷が続いていたが、4-6月期は3四半期ぶりの上昇となる可能性が高まった。
2.個人消費は横ばい圏だが、先行きは持ち直しへ
家計調査以外の5月の個人消費関連指標を確認すると、商業動態統計の小売販売額は前年比▲1.9%(4月:同▲0.9%)と3ヵ月連続で減少した。うるう年によって押し上げられた2月を除くと、15年11月から減少が続いている。季節調整値では前月比0.0%(4月:同▲0.1%)の横ばいだった。物価上昇分を考慮した実質ベースの季節調整済・販売額指数(当研究所による試算値)は前月比▲0.2%の低下(4月は同▲0.3%)となった。4、5月の指数平均は1-3月期よりも▲0.3%低く、引き続き15年中の水準を下回っている。また、百貨店売上高(日本百貨店協会)は前年比▲5.3%(店舗数調整前)となり、4月の同▲3.9%から減少幅が拡大した。これまで高い伸びを続けてきた訪日外国人向けの売上高が円高の影響などから減少に転じ、売上全体を押し下げている。
一方、5月の外食産業売上高は前年比0.6%と6ヵ月連続で増加したが、4月の同3.0%から伸び率が低下した。ただし、土曜日の日数が前年比よりも1日少なかったことも影響している可能性があり、外食産業売上高は基調としては堅調を維持している。
一方、5月の外食産業売上高は前年比0.6%と6ヵ月連続で増加したが、4月の同3.0%から伸び率が低下した。ただし、土曜日の日数が前年比よりも1日少なかったことも影響している可能性があり、外食産業売上高は基調としては堅調を維持している。
16年度入り後の消費関連指標は、家計調査がやや強め、商業動態統計などの販売統計はやや弱めで、全体としては横ばい圏の動きとなっている。
景気全般は停滞しているが、雇用情勢は着実な改善を続けており、労働力調査の雇用者数は4、5月ともに前年差で100万人程度の増加、前年比では1%台後半の高い伸びとなっている。一人当たりの名目賃金は伸び悩みが続いているが、雇用者数の高い伸びが雇用者所得を大きく押し上げている。さらに既往の原油価格下落の影響で物価上昇率がマイナスとなっていることが実質ベースの雇用者所得を大きく押し上げている。
消費者マインドの悪化などに伴う消費性向の低下、労働市場改善の恩恵を受けない高齢者、年金生活者の消費動向などには注意を払う必要があるが、先行きの個人消費は実質雇用者所得の高い伸びを主因として持ち直しに向かうことが予想される。
景気全般は停滞しているが、雇用情勢は着実な改善を続けており、労働力調査の雇用者数は4、5月ともに前年差で100万人程度の増加、前年比では1%台後半の高い伸びとなっている。一人当たりの名目賃金は伸び悩みが続いているが、雇用者数の高い伸びが雇用者所得を大きく押し上げている。さらに既往の原油価格下落の影響で物価上昇率がマイナスとなっていることが実質ベースの雇用者所得を大きく押し上げている。
消費者マインドの悪化などに伴う消費性向の低下、労働市場改善の恩恵を受けない高齢者、年金生活者の消費動向などには注意を払う必要があるが、先行きの個人消費は実質雇用者所得の高い伸びを主因として持ち直しに向かうことが予想される。
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経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
(2016年07月01日「経済・金融フラッシュ」)
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