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- シンガポールの生命保険事情-生命保険浸透率の高い国際金融センター
2016年06月28日
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4 「Insurance Statistics 2014」、シンガポール通貨監督庁(Monetary Authority of Singapore)ホームページ。
4|販売チャネル
シンガポール生命保険協会(Life Insurance Association of Singapore、LIA)の統計によれば、生命保険の販売チャネルとしては、1社専属の営業職員が件数ベースの占率で約6割を占めるが、年換算保険料ベースの占率で見ると直近5年間で約5割から約4割に低下している。
銀行窓販は、件数ベースの占率では1割強に過ぎないが、年換算保険料ベースの占率は4割弱を占め、一時払商品を中心とした販売が行われていることがうかがえる。
その他とされるチャネルは、営業職員や銀行などの保険仲介者を介さずに販売されるDirect Purchase Insurance(DPI)と称される直販商品などであり、年換算保険料ベースの占率は低いが、件数ベースでは1割を超えている5。
シンガポール生命保険協会(Life Insurance Association of Singapore、LIA)の統計によれば、生命保険の販売チャネルとしては、1社専属の営業職員が件数ベースの占率で約6割を占めるが、年換算保険料ベースの占率で見ると直近5年間で約5割から約4割に低下している。
銀行窓販は、件数ベースの占率では1割強に過ぎないが、年換算保険料ベースの占率は4割弱を占め、一時払商品を中心とした販売が行われていることがうかがえる。
その他とされるチャネルは、営業職員や銀行などの保険仲介者を介さずに販売されるDirect Purchase Insurance(DPI)と称される直販商品などであり、年換算保険料ベースの占率は低いが、件数ベースでは1割を超えている5。
5 「2015 year of growth and implementation of key initiatives for Singapore's life insurance industry」、2016年2月10日、シンガポール生命保険協会ホームページ。
3――おわりに
シンガポールは有数の国際金融センターである。
2016年4月、英国の調査会社Z/Yenは、「国際金融センター指数19」(Global Financial Centres Index 19)を公表したが、シンガポールは前回調査(2015年9月)の世界第4位からニューヨーク、ロンドンに次ぐ世界第3位の国際金融センターとされた(香港が僅差で世界第3位から第4位となった。なお、東京は前回調査、今回調査とも世界第5位)6。
わが国においても、シンガポールは、ニューヨーク、ロンドンとともに主要な国際金融センターとされている。
すなわち、2014年11月に公表された、経済財政諮問会議傘下の「成長・発展ワーキング・グループ」報告書で、
生命保険浸透率が高い保険大国でもあるシンガポールの生命保険事情を引き続き注視していきたい。
6 「Global Financial Centres Index PRESS RELEASE Wednesday 6April 2016」、「Global Financial Centres Index PRESS RELEASE Wednesday 23 September 2015」、Z/Yenホームページ。この調査は2007年から半年に1度行われているアンケート方式の調査で、世界の金融センターについて、ビジネス環境、金融セクターの開発、インフラなどの分野で評価しランキング。
7 「成長・発展ワーキング・グループ報告書」、2014年11月、内閣府ホームページ。
2016年4月、英国の調査会社Z/Yenは、「国際金融センター指数19」(Global Financial Centres Index 19)を公表したが、シンガポールは前回調査(2015年9月)の世界第4位からニューヨーク、ロンドンに次ぐ世界第3位の国際金融センターとされた(香港が僅差で世界第3位から第4位となった。なお、東京は前回調査、今回調査とも世界第5位)6。
わが国においても、シンガポールは、ニューヨーク、ロンドンとともに主要な国際金融センターとされている。
すなわち、2014年11月に公表された、経済財政諮問会議傘下の「成長・発展ワーキング・グループ」報告書で、
「金融ビジネスが集積すると、世界中から人材や情報が集まることで、金融取引のみでなく経済全般の活性化につながる。現在、株式市場としての東京市場は、時価総額で見てニューヨーク市場の4分の1程度の規模にまで落ち込んでいるが、豊富な金融資産の蓄積があること、アジアを中心に展開するグローバル企業の中心地であることなど、日本の特色を活かして、ニューヨーク、ロンドン、シンガポール等とは異なる独自の国際金融センターとなることを目指していく必要がある」7
と提言されており、シンガポールの位置づけが示されている。生命保険浸透率が高い保険大国でもあるシンガポールの生命保険事情を引き続き注視していきたい。
6 「Global Financial Centres Index PRESS RELEASE Wednesday 6April 2016」、「Global Financial Centres Index PRESS RELEASE Wednesday 23 September 2015」、Z/Yenホームページ。この調査は2007年から半年に1度行われているアンケート方式の調査で、世界の金融センターについて、ビジネス環境、金融セクターの開発、インフラなどの分野で評価しランキング。
7 「成長・発展ワーキング・グループ報告書」、2014年11月、内閣府ホームページ。
(2016年06月28日「保険・年金フォーカス」)
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