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- 【東南アジア経済】ASEANの輸出動向(6月号)~輸出は持ち直しの動きが続かず、一進一退
2016年06月10日
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品目別に見ると、主要工業製品は同7.8%減(前月:同3.4%増)と低下した。家電製品(同4.2%増)が前月から上昇したものの、電子製品(同7.8%減)や自動車・部品(同8.0%減)、機械・装置(同12.7%減)、宝飾品(同13.7%減)など低下した品目が多かった。また鉱業・燃料は同40.8%減(前月:同41.3%減)と引き続き大幅減少となった。農産品・加工品は同0.6%減(前月:同1.0%増)と、価格が下落したコメや砂糖を中心に低下した。

品目別に見ると、全体の約4割を占める機械・輸送用機器が同4.2%増と、電気・電子機器を中心に前月の同2.7%増から上昇した。またパーム油などの動植物性油脂は同8.7%増(前月:6.9%増)と増加傾向を維持した。さらに原油や天然ガスなどの鉱物性燃料は同1.0%減(前月:同23.0%減)と5ヵ月ぶりにマイナス幅が一桁台まで縮小した。原油・石油製品は同64.0%増(前月:同2.3%増)と上昇した一方、価格低迷が続く天然ガスは同32.4%減(前月:43.7%減)と引き続き大幅なマイナスとなった。

品目別に見ると、輸出全体の約2割を占める電話・部品が同14.2%増と4ヵ月連続の二桁増となったものの、前月の同42.3%増からは低下した。また織物・衣類が6.8%増(前月:同14.4%増)、履物が同3.7%減(前月:同14.8%増)についても、それぞれ低下した。一方、コンピュータ・電子部品は同13.0%増と、前月の同5.6%増から上昇した。
資本別に見ると、地場企業が同2.0%増(前月:同1.8%増)と小幅に上昇したものの、輸出全体の7割を占める外資系企業が同5.5%増(前月:11.5%増)と鈍化した。

品目別に見ると、輸出(石油と再輸出除く)全体の約3割を占める電子製品は同7.4%減(前月:同9.1%減)とマイナス幅が縮小した。通信機器(同36.1%増)の大幅な増加傾向は続いたものの、主力のIC(同3.4%減)やPC(同21.6%減)、PC部品(同23.4%減)、ダイオード・トランジスタ(同1.6%減)など幅広い品目が低迷する傾向に変化は見られない。また同じく全体の約3割を占める化学製品は同2.7%減(前月:同23.1%減)と、医薬品が持ち直してマイナス幅が縮小した。さらにその他製品も同11.9%減(前月:同14.5%減)と、前月からマイナス幅が縮小した。

品目別に見ると、5月は電子製品が伸び悩み、一次産品が低迷するなか、その他の製造品が持ち直したことが分かる。まず輸出全体の約5割を占める電子製品が同1.9%増(前月:同1.0%増)と上昇した。またその他電子機器(同8.7%増)、アパレル(同39.1%減)、化学(同9.0%減)、機械・輸送用機器(同2.7%増)などが前月からマイナス幅の縮小やプラスに転化するなど、その他製造品は12ヵ月ぶりに増加した。一方、農産品(同11.1%減)のマイナス幅は縮小したものの、鉱業製品が同85.5%減(前月:36.7%減)と一段と低下したことから一次産品は引き続き輸出の重石となっている。
(2016年06月10日「経済・金融フラッシュ」)
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経歴
- 【職歴】
2008年 日本生命保険相互会社入社
2012年 ニッセイ基礎研究所へ
2014年 アジア新興国の経済調査を担当
2018年8月より現職
斉藤 誠のレポート
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