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- 米利上げ、中国減速リスクとユーロ圏経済
2015年10月16日
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【要旨】
- 世界経済は米国の利上げと中国経済の減速の不安に覆われている。
- 世界経済における中国のプレゼンスは拡大し、米国の地位は相対的に低下しているが、国際通貨としてのドルの地位は依然として圧倒的だ。米国の利上げをきっかけに、新興国の債務問題が広がることが懸念されている。
- 中国の成長鈍化の影響は、中国向けの輸出依存度で変わる。オーストラリア、韓国などが影響を受けやすい。中国の需要への期待もあり値上がりしていた資源輸出への依存度が高く、経常収支が赤字で資本流入に依存するブラジルなども米利上げと中国の減速の同時進行という環境変化に影響を受けやすい。
- ユーロ圏では、世界経済変調の大きな影響は見られない。ECBが金融緩和を強化していること、資源等の価格下落が恩恵となること、中国とその減速の影響を受けやすい国への依存度が高くないことが理由だろう。
- とはいえ、ユーロ圏の経済は磐石という訳ではない。GDPギャップの解消と潜在成長率の回復につながる投資は伸び悩んでいる。ECBは、いずれかのタイミングで金融緩和の強化に動くだろうが、構造改革、成長指向の財政政策の強化も必要だ。
(2015年10月16日「Weekly エコノミスト・レター」)
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経歴
- ・ 1987年 日本興業銀行入行
・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
・ 2023年7月から現職
・ 2011~2012年度 二松学舎大学非常勤講師
・ 2011~2013年度 獨協大学非常勤講師
・ 2015年度~ 早稲田大学商学学術院非常勤講師
・ 2017年度~ 日本EU学会理事
・ 2017年度~ 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
「欧州政策パネル」メンバー
・ 2022年度~ Discuss Japan編集委員
・ 2023年11月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員
伊藤 さゆりのレポート
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