- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経営・ビジネス >
- 企業経営・産業政策 >
- 日銀短観(6月調査)~大企業製造業の景況感は3ポイント改善の15、先行きはさらに改善
2015年07月01日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
- 日銀短観6月調査では、注目度の高い大企業製造業の業況判断D.I.が15と前回3月調査比で3ポイント上昇し、3調査(四半期)ぶりに景況感の改善が示された。大企業非製造業の業況判断D.I.も23で前回比4ポイント改善しており、順調な回復となった。4月以降の経済情勢は強弱が入り混じっているが、製造業では回復の兆しが見える設備投資関連業種などの改善が目立ち、非製造業では訪日外国人の増加の追い風を受けやすい小売や宿泊・飲食サービスの改善が全体を牽引した。中小企業については、製造業が前回比1ポイント悪化の0、非製造業が1ポイント改善の4に留まった。中小企業ではかねてより人手不足感が強いほか、利益の改善が遅れているだけに、賃上げや円安に伴うコスト増が景況感の重石になりやすい。先行きの景況感は企業規模によって方向感が分かれた。大企業では米国経済や国内消費の回復などへの期待から、製造業・非製造業ともに改善が示された。一方で、経営体力の問題から、先行きへの警戒が高まりやすい中小企業では、製造業で横ばい、非製造業で悪化が示された。
- 15年度設備投資計画は、14年度(実績)対比で3.4%増と大きく上方修正された。例年、6月調査にかけては、計画が固まってくることに伴って上方修正される傾向が強いが、今回はこの時期として近年まれに見る大幅な上方修正が行われている。これまで力強さを欠いてきた設備投資だが、従来よりも勢いが感じられる内容と評価できる。好調な企業収益を背景に投資余力が高まっている中で、設備の老朽化や人手不足に伴う省力化投資需要、一部生産設備の国内回帰の動きなどが反映されたとみられる。
(2015年07月01日「Weekly エコノミスト・レター」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1870
経歴
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
上野 剛志のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/07/09 | 貸出・マネタリー統計(25年6月)~銀行貸出の伸びが回復、マネタリーベースは前年割れが定着 | 上野 剛志 | 経済・金融フラッシュ |
2025/07/08 | ドル円の膠着はいつまで?~ドル安でも円安是正は足踏み | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/07/01 | 日銀短観(6月調査)~トランプ関税の悪影響は今のところ限定的だが、早期の利上げには直結せず | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/06/27 | 資金循環統計(25年1-3月期)~個人金融資産は2195兆円と伸びが大きく鈍化、家計のリスク資産投資は加速 | 上野 剛志 | 経済・金融フラッシュ |
新着記事
-
2025年07月11日
トランプ関税の日本経済への波及経路-実質GDPよりも実質GDIの悪化に注意 -
2025年07月10日
企業物価指数2025年6月~ガソリン補助金の影響などで、国内企業物価は前年比3%を割り込む~ -
2025年07月10日
ドイツの生命保険監督を巡る動向(2)-BaFinの2024年Annual ReportやGDVの公表資料からの抜粋報告(生命保険会社等の監督及び業績等の状況)- -
2025年07月09日
バランスシート調整の日中比較(後編)-不良債権処理で後手に回った日本と先手を打ってきた中国 -
2025年07月09日
貸出・マネタリー統計(25年6月)~銀行貸出の伸びが回復、マネタリーベースは前年割れが定着
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年07月01日
News Release
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
【日銀短観(6月調査)~大企業製造業の景況感は3ポイント改善の15、先行きはさらに改善】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
日銀短観(6月調査)~大企業製造業の景況感は3ポイント改善の15、先行きはさらに改善のレポート Topへ