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金融市場の動き(1月号)~原油安に潜む少し先のリスク
経済研究部 上席エコノミスト 上野 剛志
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- (金融市場) 年明けの金融市場は波乱の幕開けとなった。その一因は原油安だ。原油価格はさらに下値を模索する展開も有り得、下がれば下がるほど、その悪影響への懸念も高まるだろう。しかし、現状の低価格が長期間続く可能性は低い。いずれ減産や開発停止の動きが見えてくると予想されるためだ。需給緩和に改善の兆しが見えれば持ち直しのきっかけになる。その際、世界はもう一つのリスクに遭遇するかもしれない。それは現在極めて低水準にある米長期金利の上昇だ。原油価格が上昇に転じると、期待インフレ率上昇を通じた米長期金利上昇が起こるはず。原油価格はボラティリティが高いだけに、オーバーシュートぎみに急上昇し、米長期金利を大きく押し上げる可能性がある。また、そもそも現在の米長期金利は非常に緩やかな利上げペースを織り込んでいるように思える。原油価格反転で期待インフレ率が上昇すれば、利上げのハードルが下がる。市場の観測に見直しが入り、米長期金利が急上昇するルートも考えられる。一昨年半ば、バーナンキ発言を受けた際は、米長期金利が急騰し、米株式市場が動揺、世界株安へと波及した。今後も米長期金利が急上昇すれば、世界の株式市場は影響を免れない。目先は原油価格について、「いつ、どの水準で下げ止まるか」が注目だが、その後は「原油価格がどのようなペースで持ち直すか」「米長期金利への影響はどうなるか」に焦点が移るように思える。2015年の金融市場において原油価格は息の長いテーマになりそうだ。
- (日銀金融政策) 日銀は12月の決定会合で現行の金融政策を維持。景気判断はやや上方修正した。会見では、原油安の中期的な物価押し上げ効果と賃上げの重要性に言及した。
- (金融市場の動き) 12月は引き続き円安が進行、ユーロも対ドルで下落、長期金利は過去最低を更新した。今後もリスクオフ地合いが残ることで、当面のドル円は120円付近、ユーロは低迷、長期金利は横ばい圏内の動きを予想している。
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