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- 【米国物価統計】基礎から見直す米国物価統計(FRBが注視する物価指標)
2014年11月21日
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【要旨】
FOMCの声明文(10月28-29日分)では、物価動向について3通りの表現がみられた。本稿ではFRBが重視していると思われる物価指標について解説を行っている。
- 声明文では、物価指数、市場が織込む期待インフレ率、サーベイに基づく長期の期待インフレ率について言及があった。FRBは足元の物価動向に加え、金融市場の参加者や経済専門家のインフレ予想(期待インフレ率)についても重視しているとみられる。
- 物価指数としてはCPIやPCE価格指数が重要である。CPI、PCEともに消費者が購入する財・サービス価格の平均的な動きを示す。CPIに比べてPCEの方がカバーしている範囲が広く、より実態に近い指標である。いずれの指数でみても足元の状況はFRBの政策目標(2%)を下回っている。
- 市場が織込む期待インフレ率としては、物価連動債の利回りを利用したブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)が挙げられる。BEIは速報性に優れる反面、インフレ以外の要因で変動する可能性には注意が必要である。BEIは政策目標を下回っているほか、足元は低下基調が継続している。
- サーベイに基づく指標ではフィラデルフィア連銀が集計している四半期毎のエコノミスト調査をとりあげた。長期のインフレ予想は安定しており政策目標に近い水準で推移している。これはFRBの金融政策に対する信任も反映していると思われる。
- 物価指数、期待インフレ率ともに物価が抑制された状態を示しており、FRBはインフレ率からは政策金利の引き上げを急ぐ必要はないと思われる。
(2014年11月21日「Weekly エコノミスト・レター」)
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経歴
- 【職歴】
1991年 日本生命保険相互会社入社
1999年 NLI International Inc.(米国)
2004年 ニッセイアセットマネジメント株式会社
2008年 公益財団法人 国際金融情報センター
2014年10月より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
窪谷 浩のレポート
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