2014年11月07日

11月ECB政策理事会:1兆ユーロ規模を公式目標化-全会一致を強調

経済研究部 常務理事 伊藤 さゆり

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6日、欧州中央銀行(ECB)が11月の政策理事会を開催した。新たな政策決定はなかったが、声明文に、12年初のバランス・シートの水準を目指す方針とスタッフに必要な場合に実行できる追加策の準備を指示することを盛り込んだ。理事会内の対立への懸念を払拭、全会一致を強調する狙いがある。

ドラギ総裁は、追加策を必要と判断するケースとして(1)現在の政策が不十分な場合、(2)中期インフレ期待が悪化した場合の2つを挙げた。市場では目標達成のために、早期の追加緩和、とりわけ国債購入開始観測が強まっている。

ECBは、国債買い入れを前提とするのではなく、経済・物価の動向とともに、12月11日に第2回が予定されるTLTROの利用状況や、ABS・カバードボンド・プログラムの広がりを見極めながら、緩和策の内容や実施のペースを決定して行くと思われる。

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経済研究部   常務理事

伊藤 さゆり (いとう さゆり)

研究・専門分野
欧州の政策、国際経済・金融

経歴
  • ・ 1987年 日本興業銀行入行
    ・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
    ・ 2023年7月から現職

    ・ 2011~2012年度 二松学舎大学非常勤講師
    ・ 2011~2013年度 獨協大学非常勤講師
    ・ 2015年度~ 早稲田大学商学学術院非常勤講師
    ・ 2017年度~ 日本EU学会理事
    ・ 2017年度~ 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
    ・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
               「欧州政策パネル」メンバー
    ・ 2022年度~ Discuss Japan編集委員
    ・ 2023年11月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
    ・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員

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