- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 欧州経済 >
- 欧州中央銀行の「包括査定」でユーロ圏は変わるか?-ECBだけでは問題は解決できない
■要旨
欧州中央銀行(以下、ECB)が、銀行監督一元化に先駆けて1年がかりで進めてきたユーロ参加国の主要銀行の包括査定の結果が公表された。不合格行は規模が比較的小さく、経営再建も進みつつあるため、大きな波乱を引き起こすことはないと思われる。
包括査定の積極的に評価できる側面は、ECBと各国監督当局との連携体制構築への重要なステップとなったこと、事前の対策を促し、銀行の健全化が進んだこと、銀行の資産内容の透明性が増したことだ。
しかし、包括査定を終え、銀行監督を一元化しても、ユーロ圏の銀行市場の分断がただちに解消し、貸出が力強く回復する訳ではない。世界金融危機から続く銀行システムへの不安に決着をつけるにはユーロ圏がデフレを回避すること、言い換えれば需要と供給のギャップを解消し、より高く、持続可能な成長の軌道に復帰できるような政策を講じることが必要だ。
ECBだけでは問題は解決できない。ユーロ圏の債務危機を教訓に強化された財政・構造改革の域内監視の仕組みを、財政の健全化と成長を両立し、ユーロ圏全体の競争力を引き上げる政策協調の枠組みとして活用できるかが問われる。

03-3512-1832
ソーシャルメディア
新着記事
-
2022年06月29日
新型コロナ感染症拡大によって、どんな人が結婚したいと感じたか -
2022年06月28日
今週のレポート・コラムまとめ【6/21~6/27】:まるわかり“実質実効為替レート”~“50年ぶりの円安”という根深い問題 -
2022年06月28日
AIの時代、どこから先を信じるか-ブラックボックスにどう対処する? -
2022年06月28日
3年に一度の介護保険制度改正の議論が本格始動-ケアプラン有料化などが焦点、科学的介護、人材不足対応も -
2022年06月28日
「仙台オフィス市場」の現況と見通し(2022年)
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2022年06月28日
News Release
-
2022年05月17日
News Release
-
2022年04月21日
News Release
【欧州中央銀行の「包括査定」でユーロ圏は変わるか?-ECBだけでは問題は解決できない】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
欧州中央銀行の「包括査定」でユーロ圏は変わるか?-ECBだけでは問題は解決できないのレポート Topへ