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- 欧州経済見通し~ユーロ圏:構造調整の圧力はフランス、イタリアに/英国:景気・雇用回復も賃金は伸び悩む~
2014年09月09日
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- 4~6月期のユーロ圏の実質GDPは3大国の失速が響き、前期比ゼロとなった。
- ドイツは、7~9月期にはプラス成長に転じる見通しだが、競争力不足、財政健全化圧力に苦しむイタリア、フランスでは停滞が続いている。
- ECBは9月の政策理事会で6月の緩和策の補完・強化に動いた。ターゲット型資金供給(TLTRO)は未実行、民間資産買い入れプログラムも詳細は未定の段階だが、予想を上回るECBの積極姿勢を受けてユーロ高の修正ピッチは加速した。
- 構造調整の圧力が残るフランス、イタリアに不安は残るものの、ユーロ圏全体では、財政緊縮圧力の緩和と強化された金融緩和策に支えられた緩やかな回復が続く見込みである。実質GDP成長率は、14年は0.7%、15年は1.2%と予測する。インフレ率は同0.6%、同1.0%と安定水準を大きく下回る推移が続く見通しである。
- 英国では、長期平均を上回る回復が続き、住宅価格は高騰、失業率は急低下しているが、賃金の伸びはインフレ率を下回ったままだ。BOEのカーニー総裁は8月「インフレ報告」公表時に賃金の伸びを重視する方針を示し、早期利上げ観測を牽制した。14年の成長率は3.2%、15年5月利上げ開始を予測するが、賃金動向、ユーロ圏の停滞とECBの政策の余波、スコットランドの住民投票などが波乱要因となり得る。
(2014年09月09日「Weekly エコノミスト・レター」)
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経歴
- ・ 1987年 日本興業銀行入行
・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
・ 2023年7月から現職
・ 2015~2024年度 早稲田大学商学学術院非常勤講師
・ 2017年度~ 日本EU学会理事
・ 2017~2024年度 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
「欧州政策パネル」メンバー
・ 2022~2024年度 Discuss Japan編集委員
・ 2022年5月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員
・ 2024年10月~ 雑誌『外交』編集委員
・ 2025年5月~ 経団連総合政策研究所特任研究主幹
伊藤 さゆりのレポート
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