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- 【韓国GDP】4-6月期は船舶事故の影響で前期比+0.6%に減速
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1.4-6月期は前期比+0.6%
韓国銀行(中央銀行)は7月24日、2014年4-6月期の実質国内総生産(GDP)を公表した。実質GDP成長率は前期比(季節調整済)で+0.6%と、1-3月期(同+0.9%)から減速した。また、Bloomberg調査の市場予想(同+0.7%)を下回った。前年同月比では+3.6%(前期:同+3.9%)となり、5四半期ぶりに鈍化した。
2.輸出の回復は続くも、内需波及への期待は小さい
4-6月期の成長率は前期比+0.6%と、海外需要の増加を背景とした外需の改善によって回復傾向を維持することはできた。しかし、4月のセウォル号沈没事故後に広がった「自粛ムード」の影響で民間消費が悪化したことや、知的財産生産物(R&D)投資が減少したことが成長率の鈍化に繋がった。先行きを見通すと、「自粛ムード」は一時的な影響に止まって徐々に解消していくだろう。また今回、唯一の牽引役となった外需は緩やかな改善が続くと見ている。ただし、足元のウォン高圧力や在庫調整によって、緩やかな輸出の回復では消費・投資への波及効果は限られるため、景気回復の勢いは緩慢なものとなりそうだ。
先行きへの明るい材料としては、GDP統計公表後に政府の打ち出した景気刺激策が挙げられる。政策の柱は財政出動と金融支援を組み合わせた40.7兆ウォンの資金投入である。この景気対策で短期的な景気浮揚効果が期待できることから、政府はその間に「経済3ヵ年計画」、特に「創造経済」の取組みは旅客船事故とその後の対応で進捗が遅れているので加速させたいところだ。規制緩和で新産業創出を後押し、雇用を増やすことで内需拡大を実現できるかどうか、朴政権が果たすべき役割は大きい。
(2014年07月25日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1780
- 【職歴】
2008年 日本生命保険相互会社入社
2012年 ニッセイ基礎研究所へ
2014年 アジア新興国の経済調査を担当
2018年8月より現職
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