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- 消費者物価(全国14年6月)~コアCPI上昇率は頭打ちから鈍化へ
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■見出し
・コアCPI上昇率は消費税の影響除きで2ヵ月連続鈍化
・年末にかけて1%割れへ
■要旨
総務省が7月25日に公表した消費者物価指数によると、14年6月の消費者物価(全国、生鮮食品を除く総合、以下コアCPI)は前年比3.3%(5月:同3.4%)となり、上昇率は前月から0.1ポイント縮小した。
コアCPIを消費税の影響を除くベースでみると、4月は消費税率引き上げ分以上の値上げが行われたことから3月の前年比1.3%から同1.5%へと拡大したが、5月が同1.4%、6月が同1.3%と伸び率は鈍化している。
コアCPI上昇率を寄与度分解すると、エネルギーが0.62%(5月:同0.67%)、食料(生鮮食品を除く)が0.28%(5月:同0.28%)、その他が0.40%(5月:同0.45%)であった(当研究所試算による消費税の影響を除くベース)。
4月の消費税率引き上げ時にはそれに上乗せする形で価格改定をする動きも見られたが、値上げの動きはその後一服しており、コアCPIは基調としては伸び率が頭打ちとなっている。先行きは円安効果の一巡に加え、景気減速に伴う需給バランス悪化の影響から、伸び率が徐々に鈍化し、年末にかけては2%台後半(消費税の影響を除くと1%割れ)になると予想する。
上振れの可能性があるとすれば、エネルギー価格の上昇率が再び高まることだろう。エネルギー価格は5月の前年比10.1%をピークに鈍化しており、現状の為替、原油価格の水準を前提とすれば年末にかけて7%前後の伸びとなり、コアCPIの伸びを0.2~0.3ポイント程度押し下げることが見込まれる。ただし、依然として地政学リスクが燻り続けているため、原油価格が安定的に推移する可能性は必ずしも高いとは言えない。当面は原油価格の動向に左右されやすい展開が続くだろう。
(2014年07月25日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1836
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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