- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 米国経済 >
- 【1-3月期米GDP】前期比年率+0.1%、予想を大きく下回る鈍化
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
【要旨】
結果の概要:個人消費のみ堅調で、残りは全滅
4月30日、米商務省の経済分析局(BEA)は1-3月期のGDP統計を公表した。1-3月期の実質成長率は、季節調整済の前期比年率1で+0.1%となり、前期の同+2.6%から大きく減速、市場予想(Bloomberg集計の中央値、以下同様)の同+1.2%も大幅に下回る結果であった。
需要項目別に見ると、個人消費が好調だったものの、それ以外の項目は冴えず、全体の成長率を押し下げていることが分かる。実際、今期の個人消費は前期比年率+3.0%と前期(同+3.3%)の伸び率と同程度、市場予想(同+2.0%)を上回る伸びを記録した。一方、設備投資は同▲2.1%(前期:同+5.7%)とマイナスに転じ、在庫変動も成長率への寄与度で▲0.57%ポイント(前期:同▲0.02%ポイント)と大幅に悪化した。住宅投資は前期比年率▲5.7%(前期:同▲7.9%)、政府支出は同▲0.5%(前期:同▲5.2%)といずれも前期よりもマイナス幅が縮小しているが、2期連続のマイナスであり低迷が続いている。
さらに、今期は輸出の減速が大きく、前期比年率▲7.6%(前期:同9.5%)と2009年1-3月期以来の低迷となった。輸入も同▲1.4%(前期:同+1.5%)と減少したものの、成長率への純輸出の寄与度は▲0.83%ポイント(前期:同+0.99%ポイント)と前期と比べて大幅に悪化している。
今期は個人消費を除いて不調であったが、なかでも在庫と純輸出によるGDPの押し下げ効果は大きかった。そのため、GDPから在庫・純輸出を除いた国内最終需要で見ると前期比年率+1.5%となり、前期(同+1.6%)とほぼ同水準の伸びを達成できている。この意味では、米国内の需要には一定の強さが見られると言える。また、住宅投資や輸出については、寒波というショックの悪影響が色濃く生じていると見られ、今後は反動増にも期待できる。したがって、GDPの数値は大幅に減速したが、先行きについては、それほど悲観的になる必要も無いと言えるだろう。
(2014年05月02日「経済・金融フラッシュ」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1818
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
高山 武士のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/08/15 | 英国GDP(2025年4-6月期)-前期比0.3%でプラス成長を維持 | 高山 武士 | 経済・金融フラッシュ |
2025/08/14 | ロシアの物価状況(25年7月)-総合指数は前年比8%台まで低下 | 高山 武士 | 経済・金融フラッシュ |
2025/08/13 | 英国雇用関連統計(25年7月)-週平均賃金は前年比4.6%まで低下 | 高山 武士 | 経済・金融フラッシュ |
2025/08/08 | 英国金融政策(8月MPC公表)-予想通りの利下げ決定も、4名は据え置き主張 | 高山 武士 | 経済・金融フラッシュ |
新着記事
-
2025年08月19日
今週のレポート・コラムまとめ【8/12-8/18発行分】 -
2025年08月18日
タイ経済:25年4-6月期の成長率は前年同期比2.8%増~駆け込み輸出が観光業の落ち込みを相殺 -
2025年08月18日
2025・2026年度経済見通し(25年8月) -
2025年08月15日
マレーシア経済:25年4-6月期の成長率は前年同期比+4.4%~堅調な内需に支えられて横ばいの成長に -
2025年08月15日
グローバル株式市場動向(2025年7月)-米国と日欧の関税大枠合意により安心感が広がる
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年07月01日
News Release
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
【【1-3月期米GDP】前期比年率+0.1%、予想を大きく下回る鈍化】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
【1-3月期米GDP】前期比年率+0.1%、予想を大きく下回る鈍化のレポート Topへ