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2014年03月20日
アジア新興国・地域の経済見通し~成長率は冴えない状況、注目は政策実行力
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- アジア新興国・地域の低成長は長期化している。外需の弱さはいずれの国・地域にも共通しており、これが成長率の伸び悩みの要因となっている。また、インドやタイでは外需に加えて内需も弱く、景気の弱さが鮮明になっている。
- 今年に入り米国における量的緩和策の縮小が開始されたが、金融市場において株や為替が大きく下落するような事態には陥っていない。経常赤字国で通貨安防衛策を積極的に講じてきたことに加え、昨年時点で市場がテーパリングという材料の大部分を消化したことが要因と見られる。
- インフレ率はインドネシアとインドで比較的高い。ただし、インドでは足もとのインフレ率は顕著に減速している。その他、インフレ率は低めだが、上昇傾向にある国・地域も多い。金融政策については、今年に入って高インフレに見舞われているインドが1月に利上げを実施した。同じくインフレ率が高いインドネシアでは通貨の安定などを背景に、今年は政策金利を据え置いている。一方、タイでは景気減速が深刻になってきたことから、3月に利下げに踏み切っている。
- 今後については、外需の牽引力が弱く、それぞれ国内にも課題を抱えていることから、短期的に成長率が大幅改善するとは想定していない。国内の課題解決や長期的な成長率を高める政策を実行できるのか、政策実行力が注目される時期と言える。
- リスク要因としては、経常赤字国では依然として通貨安リスクを抱えていることが挙げられる 。アジア通貨危機のような危機には発展しなくとも、通貨の下落により輸入インフレが促進されれば、実体経済への下押し圧力が強まる懸念がある。また、政策実行力の欠如が露呈し、直接投資など長期の資金流入が細る可能性も指摘できる。こちらは短期的な成長率には影響を及ぼさないが、長期的な潜在成長率の低下をもたらす要因になるため、注意が必要だろう。
(2014年03月20日「Weekly エコノミスト・レター」)
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