- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 金融・為替 >
- 金融政策 >
- 金融市場の動き(9月号)~迫り来るQE3縮小とシリアという関門
2013年09月06日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
- (株価) 今月の日本株市場はにわかに正念場の雰囲気が高まっている。まず、今月の最重要テーマはQE3の縮小だ。実際に今月決定される確証はないが、仮に見送りとなっても、年内に縮小が開始される可能性が高い。QE3の縮小に対して米株価がどのような反応をするかが日本株にとって重要になる。これまで日本株を継続的に買ってきたのは海外投資家だからだ。過去のQE終了後の株価動向から考えると、QE3縮小が日本株の大きなリスク要因であることは否定できない。米株安となれば、円安を通じた日本株上昇も期待できないだろう。そして、もう一つの重要テーマはシリア情勢だ。過去のアフガン、イラク両戦争当時の米株価をみると、ともに開戦以降下落はしていないが、事前に織り込まれていたためと考えられる。今回は警戒感が殆ど出ていないため、「武力介入の実行」や「戦闘長期化懸念の発生」時には、そこで株価が織り込みにいき、下落する可能性がある。迫り来るこの2つの関門をクリアすることが日本株再浮上の大きな条件となる。
- (日米欧金融政策) 8月の金融政策は日米欧ともに現状維持となった。米金融政策をうらなう意味で注目の高かった7月FOMC議事録だが、QE3縮小開始時期を読み取れるような情報は殆ど無く、決定的な手掛かりが無いまま焦点の9月を迎えることに。
- (金融市場の動き) 8月の金融市場は、ドル円、ユーロドルともにほぼ横ばいとなり、長期金利は低下した。今月は材料多く波乱含みだが、リスクオン地合いにはなりにくく、円安トレンドは難しいと見る。長期金利は横ばい圏内を予想。
(2013年09月06日「Weekly エコノミスト・レター」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1870
経歴
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
上野 剛志のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/08/12 | 貸出・マネタリー統計(25年7月)~銀行貸出が連月で急増、定期預金も増勢を拡大中 | 上野 剛志 | 経済・金融フラッシュ |
2025/08/04 | 長期金利1.6%到達は通過点か?~今後の金利見通し | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/07/23 | 参院選・日米関税合意を受けて円相場はどう動く?~マーケット・カルテ8月号 | 上野 剛志 | 基礎研マンスリー |
2025/07/09 | 貸出・マネタリー統計(25年6月)~銀行貸出の伸びが回復、マネタリーベースは前年割れが定着 | 上野 剛志 | 経済・金融フラッシュ |
新着記事
-
2025年08月15日
生成AIを金融リスク分析の視点から読み解いてみる-なぜ人間によるファクトチェックが必要なのか -
2025年08月15日
QE速報:2025年4-6月期の実質GDPは前期比0.3%(年率1.0%)-トランプ関税下でも輸出が増加し、プラス成長を確保 -
2025年08月15日
地方で暮らすということ-都市と地方の消費構造の違い -
2025年08月15日
英国GDP(2025年4-6月期)-前期比0.3%でプラス成長を維持 -
2025年08月14日
ロシアの物価状況(25年7月)-総合指数は前年比8%台まで低下
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年07月01日
News Release
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
【金融市場の動き(9月号)~迫り来るQE3縮小とシリアという関門】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
金融市場の動き(9月号)~迫り来るQE3縮小とシリアという関門のレポート Topへ