- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 金融・為替 >
- 金融市場・外国為替(通貨・相場) >
- 7月マネー統計 ~都銀がキャッチアップ、マネーはリスク選好色強まる
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
■見出し
・貸出動向: 都銀がキャッチアップ
・主要銀行貸出動向アンケート調査: 企業の資金需要が減少
・マネタリーベース: 5ヵ月連続で過去最高を更新
・マネーストック: リスク選好の動きが続く
■introduction
貸出・預金動向(速報)によると、7月の銀行貸出(平残)の伸び率はおよそ4年ぶりの高水準となった。牽引役は引き続き多岐にわたり、資金需要の増加を背景とした貸出の増勢が続いている。業態別では従来出遅れていた都銀が地銀にキャッチアップしている。
ただし、主要銀行貸出動向アンケート調査によれば、13年4-6月期の(銀行から見た)企業の資金需要増減を示す企業向け資金需要判断D.I.は4四半期ぶりにマイナス(“減少”とする回答が優勢)となった。企業向け貸出残高は増勢を強めているが、貸し手側の実感はまだ乏しいようだ。
7月のマネタリーベースの前月比増加額は平残ベース(季節調整済み)で4.4兆円、末残ベース(季節調整前)では1868億円に過ぎず、異次元緩和開始以降、初めて目標達成ペース未達となった。ただし、この伸びの鈍化は特殊要因の影響であり、日銀の緩和スタンスとは関係がない。むしろ、国庫短期証券買入の積極化を通じて、末残ベースのマネタリーベースを何とか前月比プラスに持っていった形跡があり、日銀の意地を感じる。結果、7月末のマネタリーベース残高は5ヵ月連続で過去最高を更新している。
また、マネーストック統計によると、7月のM2平均残高の伸び率は前年比3.7%、M3は同3.0%と伸びが一服したが、リスク性資産を含む広義流動性の伸び率は3.4%とさらに拡大した。預金通貨(普通預金など)や準通貨(定期預金など)の残高も小幅ながら増加しているため、“預金からリスク性資産への資金シフト”が起きているわけではないが、資金配分において従来よりもリスクを選好する動きが続いているようだ。
(2013年08月09日「経済・金融フラッシュ」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1870
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
上野 剛志のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/07/09 | 貸出・マネタリー統計(25年6月)~銀行貸出の伸びが回復、マネタリーベースは前年割れが定着 | 上野 剛志 | 経済・金融フラッシュ |
2025/07/08 | ドル円の膠着はいつまで?~ドル安でも円安是正は足踏み | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/07/01 | 日銀短観(6月調査)~トランプ関税の悪影響は今のところ限定的だが、早期の利上げには直結せず | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/06/27 | 資金循環統計(25年1-3月期)~個人金融資産は2195兆円と伸びが大きく鈍化、家計のリスク資産投資は加速 | 上野 剛志 | 経済・金融フラッシュ |
新着記事
-
2025年07月10日
企業物価指数2025年6月~ガソリン補助金の影響などで、国内企業物価は前年比3%を割り込む~ -
2025年07月10日
ドイツの生命保険監督を巡る動向(2)-BaFinの2024年Annual ReportやGDVの公表資料からの抜粋報告(生命保険会社等の監督及び業績等の状況)- -
2025年07月09日
バランスシート調整の日中比較(後編)-不良債権処理で後手に回った日本と先手を打ってきた中国 -
2025年07月09日
貸出・マネタリー統計(25年6月)~銀行貸出の伸びが回復、マネタリーベースは前年割れが定着 -
2025年07月09日
景気ウォッチャー調査2025年6月~気温上昇で夏物商材の売れ行きが好調、現状判断DIは2ヵ月連続の上昇~
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年07月01日
News Release
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
【7月マネー統計 ~都銀がキャッチアップ、マネーはリスク選好色強まる】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
7月マネー統計 ~都銀がキャッチアップ、マネーはリスク選好色強まるのレポート Topへ