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- 景気ウォッチャー調査13年7月 ~現状判断DIは低下基調が続くも高水準
■見出し
・現状判断DIは4ヶ月連続の低下
・先行き判断DIは前月から横ばい
■introduction
8月8日に内閣府から発表された2013年7月の景気ウォッチャー調査によると、景気の現状に対する判断DIは52.3となり、前月を0.7ポイント下回り4ヶ月連続の低下となったものの、水準自体は50を6ヶ月連続で上回っており、引き続き高かった。
項目別に見てみると、家計動向関連は、50.6ポイントと前月を1.6ポイント下回った。これは (1)「夏物セール前倒しの反動がみられる中、好調だった高額品販売の伸びに一服感がみられること」 (2)「天候不順が続いたことで、夏物家電商品の販売が低調だったこと」などが影響していると考えられる。
企業動向関連は、54.5ポイントと前月を1.7ポイント上回った。これは消費増税前の住宅投資への駆け込み需要が活発化していることが影響していると思われる。
雇用関連は、58.1ポイントと前月を0.1ポイント上回った。これは住宅投資への消費増税前の駆け込み需要、高齢化の進展に伴う介護需要の増加を背景として、建設業や介護業界を中心に求人が増加したことが影響しているとみられる。
景気の先行きに対する判断DIは53.6と前月から横ばいに留まったものの、水準自体は50を8ヶ月連続で上回っており、引き続き高かった。
項目別に見てみると、家計動向関連は、52.0と前月を0.6ポイント下回った。これは円安や消費増税を主因とした生活必需品の値上げに伴う家計圧迫懸念の高まりが影響していると思われる。
企業動向関連は、56.1ポイントと前月を1.3ポイント上回った。これはアベノミクス効果による実体経済の更なる改善が期待されている影響と考えられる。
雇用関連は、58.6ポイントと前月を1.1ポイント上回った。これは参議院選挙の結果、ねじれ国会が解消したことに伴い多くの企業に安心感が広がり、アベノミクスへの期待感が更に高まった影響とみられる。
2013年7月の調査では現状判断DIは4ヶ月連続で低下し、先行き判断DIは前月から横ばいに留まったものの、DIの水準自体は引き続き高かった。現状判断DI、先行き判断DIともに家計動向関連では家計圧迫懸念から前月より低下したものの、企業動向関連ではアベノミクス効果による収益向上への期待感から前月より上昇した。生活必需品、電気料金の値上げ等による家計圧迫懸念の高まりなど不安材料があるものの、アベノミクスによる実体経済の本格的な回復が引き続き期待されるなど、景況感の改善基調は緩やかながらも維持されている。
(2013年08月09日「経済・金融フラッシュ」)
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押久保 直也 (おしくぼ なおや)
研究・専門分野
日本経済、財政
押久保 直也のレポート
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