- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 日本経済 >
- 雇用関連統計13年6月 ~失業率は4年8カ月ぶりの3%台
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
■見出し
・失業率は4年8ヵ月ぶりの3%台
・製造業の新規求人数が13ヵ月ぶりの増加
■要旨
総務省が7月30日に公表した労働力調査によると、13年6月の完全失業率は前月から0.2ポイント低下し3.9%となった(QUICK集計・事前予想:4.1%、当社予想は4.0%)。失業率が3%台となるのは08年10月以来、4年8ヵ月ぶりとなる。
労働力人口が前月から▲15万人の減少となる中、就業者数の減少が▲1万人にとどまったため、失業者数は前月に比べ▲16万人の減少となった。非労働力化の進展が失業率の低下に寄与する形となっており、このこと自体は良い内容とは言えないが、労働需給をより敏感に反映する雇用者は4月が前月比24万人増、5月が同3万人増、6月が同7万人増と順調に増加を続けていることは前向きに捉えることができる。雇用情勢は改善傾向が続いていると判断される。雇用者数の内訳を産業別に見ると、製造業は前年比▲11万人減(5月:同▲32万人減)と22ヵ月連続の減少となったが、減少幅は前月よりも縮小した。
厚生労働省が7月30日に公表した一般職業紹介状況によると、13年6月の有効求人倍率は前月から0.02ポイント上昇の0.92倍となった(QUICK集計・事前予想:0.91倍、当社予想も0.91倍)。有効求職者数が前月比▲1.0%の減少となる一方、有効求人数が前月比1.2%と9ヵ月連続で増加した。
有効求人倍率の先行指標である新規求人倍率は前月から0.07ポイント上昇の1.49倍となった。
新規求人数を産業別に見ると、建設業(5月:同10.1%→6月:同5.0%)、卸売・小売業(5月:同7.2%→6月:同3.4%)、情報通信業(5月:前年比8.3%→6月:同0.2%)の伸びが鈍化する一方、製造業が前年比0.8%と13ヵ月ぶりの増加となった。
雇用情勢が全体として改善の動きを続ける中、製造業の不振が目立つ形となっていたが、6月は雇用者数の減少幅が縮小し、減少が続いていた新規求人数が増加に転じた。単月の動きだけで判断するのは早計だが、鉱工業生産が緩やかながら回復していることを受けて、製造業の雇用情勢も徐々に持ち直しに向かうことが見込まれる。
(2013年07月30日「経済・金融フラッシュ」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1836
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
斎藤 太郎のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/05/02 | 雇用関連統計25年3月-失業率、有効求人倍率ともに横ばい圏内の動きが続く | 斎藤 太郎 | 経済・金融フラッシュ |
2025/04/30 | 2025年1-3月期の実質GDP~前期比▲0.2%(年率▲0.9%)を予測~ | 斎藤 太郎 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/04/30 | 鉱工業生産25年3月-1-3月期は4四半期ぶりの減産、トランプ関税の影響で4月以降も低迷が続く見込み | 斎藤 太郎 | 経済・金融フラッシュ |
2025/04/18 | 消費者物価(全国25年3月)-コアCPI上昇率は25年度入り後も3%台が続く公算 | 斎藤 太郎 | 経済・金融フラッシュ |
新着記事
-
2025年05月02日
金利がある世界での資本コスト -
2025年05月02日
保険型投資商品等の利回りは、良好だったが(~2023 欧州)-4年通算ではインフレ率より低い。(EIOPAの報告書の紹介) -
2025年05月02日
曲線にはどんな種類があって、どう社会に役立っているのか(その11)-螺旋と渦巻の実例- -
2025年05月02日
ネットでの誹謗中傷-ネット上における許されない発言とは? -
2025年05月02日
雇用関連統計25年3月-失業率、有効求人倍率ともに横ばい圏内の動きが続く
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
【雇用関連統計13年6月 ~失業率は4年8カ月ぶりの3%台】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
雇用関連統計13年6月 ~失業率は4年8カ月ぶりの3%台のレポート Topへ