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- EUソルベンシーIIの動向(2013/7) ~長期保証契約影響度調査(LTGA)の結果レポートを中心に~
■本稿の趣旨
- EUの保険会社の健全性規制改革である「ソルベンシーII」は、公式には2014年1月開始とされているが、これから相当に遅れる見込み。
- 金融危機の経験を踏まえ、経済環境の変動が保険会社の各指標に与えるボラティリティを低減させる必要性が改めて認識され、健全性規制の根幹となる第一の柱の数量的事項(責任準備金、リスク額、自己資本額の評価)から検討し直している。
- その検討のため、今回、欧州委員会の依頼を受けてEIOPA(欧州保険・年金監督機構)が、LTGA(長期保証契約に焦点を当てた影響度調査)を実施した。
- 本稿は、6月にEIOPAにより公表された結果レポートを紹介するものである。
■LTGA結果レポートの主要論点
- カウンタ・シクリカル・プレミアム(信用スプレッド関連の評価利率調整項)
採用が否定され、代わって Volatility Balancer の採用が提案された。 - マッチング調整(資産負債のマッチングを条件に、資産側の運用利回り状況を反映)
伝統的マッチング調整は肯定されたが、拡張マッチング調整はその複雑性を理由に不採用が提案された。 - 評価利率の推定(長期のところの金利をいかに定めるか)
ユーロの(終局金利への)収束速度は40年程度が推奨された。 - 移行措置
- 回復期間の延長(ソルベンシー比率基準未達時の取扱)
最長でも7年までとすることが推奨された。
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荻原 邦男
研究・専門分野
(2013年07月23日「保険・年金フォーカス」)
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