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- ユーロ圏の銀行同盟 -注視すべきは進展スピードだけではない
2013年07月19日
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- 今年6月のEU首脳会議も、昨年同様、成長と雇用がメインテーマの1つであった。市場の圧力こそ弱まっているが、域内の成長と雇用の格差、銀行市場の分断の解決策として、統合の深化、特に財政同盟と銀行同盟の必要性はむしろ高まっている。
- 銀行同盟は当初の工程表よりやや遅れ気味だが、工程表作成の先送りが続く財政同盟に比べれば、遥かに具体的な進展が見られる。しかし、単一の銀行監督制度(SSM)、共通の銀行破綻処理制度(SRM)と預金保険制度という3つの構成要素の進捗状況は異なる。先行しているのはECBによるSSMへの監督の一元化である。破綻処理はベイル・インのルールの大枠で合意、破綻処理委員会と基金からなるSRMの設立議論が始まった段階だ。預金保険は段階的な制度調和の過程で、相互融通化までが当面の目標である。
- 銀行同盟の取り組みは、進展のスピードだけではなく、3つの構成要素が揃うタイミングや各機関の権限、各国当局の裁量の範囲、ルール変更の影響なども注視が必要だ。
(2013年07月19日「Weekly エコノミスト・レター」)
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経歴
- ・ 1987年 日本興業銀行入行
・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
・ 2023年7月から現職
・ 2011~2012年度 二松学舎大学非常勤講師
・ 2011~2013年度 獨協大学非常勤講師
・ 2015年度~ 早稲田大学商学学術院非常勤講師
・ 2017年度~ 日本EU学会理事
・ 2017年度~ 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
「欧州政策パネル」メンバー
・ 2022年度~ Discuss Japan編集委員
・ 2023年11月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員
伊藤 さゆりのレポート
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