- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 日本経済 >
- 鉱工業指数の基準改定~基準改定による景気の局面判断への影響は軽微か
■見出し
・鉱工業指数は2005年基準から2010年基準へ
・基準改定による景気の局面判断への影響は軽微か
・今回の公表方法には問題も
■要旨
経済産業省は6/11、鉱工業指数の基準改定(2005年基準→2010年基準)の概要を公表した。2010年基準の指数は6/18公表予定の2013年4月確報分からとなっているが、今回はそれに先立ち、2010年基準の採用品目、ウェイト、季節調整に用いるスペックファイル、2008年1月~2012年12月の業種別指数などが公表された。
新基準の生産指数を旧基準と比較すると(2005年基準を2010年=100に変換して比較)、基調的な動きはそれほど変わっていないが、新基準のほうが動きが滑らかとなっており、2012年春以降の落ち込み幅が小さくなっている。旧基準では鉱工業生産指数の直近のピークは2012年1月、直近のボトムは2012年9月で、その間の落ち込み幅は▲9.8%だったが、新基準の指数ではピークが2012年1月、ボトムが2012年11月となり、その間の落ち込み幅は▲8.0%となった。直近のピークは旧基準と変わらず、ボトムが2ヵ月遅くなったが、2013年1月以降の指数が公表されていないため、ボトムはさらに後ズレする可能性もある。
景気基準日付は主として景気動向指数の一致指数を用いて行われるが、一致指数11系列のうち4系列が鉱工業指数の関連指標である。そこで、鉱工業生産指数以外の改定状況も確認しておくと、鉱工業生産財出荷指数、耐久消費財出荷指数については、旧基準と山谷の時期は変わらなかった(鉱工業生産財出荷指数は山が2012年3月、谷が2012年11月。耐久消費財出荷指数は山が2012年2月、谷が2012年11月。投資財出荷指数(除く輸送機械)は、作成に用いられる指数が未公表のため、試算できず)。ただし、いずれの指数も2012年12月までしか公表されていないため、2013年1月以降の数値次第では谷の時期がずれる可能性もある。
従来の指数をもとにすれば、直近の景気の山は2012年3月、景気の谷は2012年11月、すなわち2012年4月から11月まで景気後退局面にあったとの見方が大勢だった。現時点ではデータが不十分であるため確定的なことは言えないが、今回の基準改定が景気の局面判断に大きな影響を及ぼすことはなさそうだ。
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1836
ソーシャルメディア
新着記事
-
2022年06月29日
新型コロナ感染症拡大によって、どんな人が結婚したいと感じたか -
2022年06月28日
今週のレポート・コラムまとめ【6/21~6/27】:まるわかり“実質実効為替レート”~“50年ぶりの円安”という根深い問題 -
2022年06月28日
AIの時代、どこから先を信じるか-ブラックボックスにどう対処する? -
2022年06月28日
3年に一度の介護保険制度改正の議論が本格始動-ケアプラン有料化などが焦点、科学的介護、人材不足対応も -
2022年06月28日
「仙台オフィス市場」の現況と見通し(2022年)
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2022年06月28日
News Release
-
2022年05月17日
News Release
-
2022年04月21日
News Release
【鉱工業指数の基準改定~基準改定による景気の局面判断への影響は軽微か】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
鉱工業指数の基準改定~基準改定による景気の局面判断への影響は軽微かのレポート Topへ