- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 日本経済 >
- 鉱工業生産13年4月 ~市場予想を上回り、増産ペースが加速
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
■見出し
・生産の伸びは市場予想を大きく上回る
・生産計画が2ヵ月連続で上方修正
■要旨
経済産業省が5月31日に公表した鉱工業指数によると、13年4月の鉱工業生産指数は前月比1.7%と5ヵ月連続の上昇となり、事前の市場予想(QUICK集計:前月比0.5%、当社予想は同1.0%)を大きく上回った。出荷指数は前月比1.1%と3ヵ月連続の上昇、在庫指数は前月比0.6%と2ヵ月連続の上昇となった。
4月の生産を業種別に見ると、情報通信機械は前月比▲20.5%と大きく落ち込んだが、輸出、国内販売の好調を受けて輸送機械が前月比11.8%の高い伸びとなったほか、電子部品・デバイス(前月比2.3%)、精密機械(同14.6%)なども好調だった。
製造工業生産予測指数は、13年5月が前月比0.0%、6月が同▲1.4%となった。生産計画の修正状況を示す実現率(4月)、予測修正率(5月)はそれぞれ0.1%、0.5%となり、ともに2ヵ月連続のプラスとなった。実現率、予測修正率が2ヵ月続けてプラスになったことは東日本大震災以降では初となる。生産計画が下方修正される傾向に歯止めがかかったことは明るい材料だ。
その一方で、再び生産の牽引役となりつつあった輸送機械が5月(前月比▲6.3%)、6月(同▲9.8%)と大幅減産計画となっていることは不安材料と言える。
13年4月の生産指数を5月、6月の予測指数で先延ばしすると、13年4-6月期は前期比2.0%の上昇となり、1-3月期の同2.2%とほぼ同じ伸びとなる。ただし、鉱工業指数は6/18に公表される4月確報分から2010年基準への切替えが行われることに伴い、過去の計数が遡及改定され、季節パターンも大きく修正される可能性があることには留意が必要だ。
(2013年05月31日「経済・金融フラッシュ」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1836
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
斎藤 太郎のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/04/30 | 鉱工業生産25年3月-1-3月期は4四半期ぶりの減産、トランプ関税の影響で4月以降も低迷が続く見込み | 斎藤 太郎 | 経済・金融フラッシュ |
2025/04/18 | 消費者物価(全国25年3月)-コアCPI上昇率は25年度入り後も3%台が続く公算 | 斎藤 太郎 | 経済・金融フラッシュ |
2025/04/17 | 貿易統計25年3月-1-3月期の外需寄与度は前期比▲0.6%程度のマイナス、4月以降の輸出の落ち込みは不可避 | 斎藤 太郎 | 経済・金融フラッシュ |
2025/04/11 | 高水準の賃上げをもたらしたのは人手不足か、物価高か | 斎藤 太郎 | Weekly エコノミスト・レター |
新着記事
-
2025年04月30日
トランプ政権100日の評価-関税政策などの予見可能性低下が金融市場や消費者、企業マインド、支持率の悪化要因に -
2025年04月30日
米国個人年金販売額は2024年も過去最高を更新-トランプ関税政策で今後の動向は不透明に- -
2025年04月30日
鉱工業生産25年3月-1-3月期は4四半期ぶりの減産、トランプ関税の影響で4月以降も低迷が続く見込み -
2025年04月30日
日本の産後ケアの現状と課題-令和4年度には市町村の84%で実施も利用率は10.9%、提供体制と費用負担、認知度に課題か- -
2025年04月30日
今週のレポート・コラムまとめ【4/22-4/28発行分】
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
【鉱工業生産13年4月 ~市場予想を上回り、増産ペースが加速】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
鉱工業生産13年4月 ~市場予想を上回り、増産ペースが加速のレポート Topへ