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- 雇用関連統計13年3月~雇用情勢は持ち直しの動きが継続
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■見出し
・失業率は前月から0.2ポイント低下の4.1%
・製造業に下げ止まりの兆し
■要旨
総務省が4月30日に公表した労働力調査によると、13年3月の完全失業率は前月から0.2ポイント低下し4.1%となった。
労働力人口が前月から▲20万人の減少となる中、就業者数の減少が▲1万人にとどまったため、失業者数は前月に比べ▲17万人の減少となった。就業者数は3ヵ月ぶりの減少となったが、過去2ヵ月で43万人の大幅増となった反動による面もあり、基調としては持ち直しの動きが続いていると判断される。
雇用者数の内訳を産業別に見ると、製造業が前年比▲17万人減(2月:同▲36万人減)と19ヵ月連続の減少、卸売・小売業が同▲1万人減(2月:同▲21万人減)と6ヵ月連続で減少したが、ともに減少幅は前月よりも縮小した。一方、復興関連事業の本格化を背景に建設業が前年比12万人増(2月:同15万人増)となったほか、高齢化の進展に伴う需要の拡大を背景として医療・福祉は前年比31万人増(2月:35万人増)と好調を維持した。
厚生労働省が4月30日に公表した一般職業紹介状況によると、13年3月の有効求人倍率は前月から0.01ポイント上昇の0.86倍となった。有効求人数が前月比0.6%と6ヵ月連続の増加となる一方、有効求職者数が前月比▲0.9%と2ヵ月ぶりの減少となった。
有効求人倍率の先行指標である新規求人倍率は前月から0.04ポイント上昇の1.39倍となった。新規求人数は前月比▲1.6%と5ヵ月ぶりの減少となったが、新規求職申込件数が前月比▲4.3%とそれを大きく上回る減少となったことが、求人倍率の改善に寄与した。
新規求人数を産業別に見ると、卸売・小売業(前年比8.5%)、建設業(前年比8.0%)が大幅な増加を続ける一方、製造業は前年比▲4.3%と10ヵ月連続で減少した。ただし、製造業の減少幅は2月の前年比▲8.9%からは縮小した。
雇用情勢が全体として持ち直しの動きを続ける中、製造業の不振が目立つ形となっていたが、3月は雇用者数、新規求人数ともに減少幅が前月よりも縮小した。単月の動きだけで判断するのは早計だが、鉱工業生産が昨年11月を底として緩やかに回復していることを反映し、製造業の雇用情勢も徐々に持ち直しに向かうことが見込まれる。
(2013年04月30日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1836
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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