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子どもでもスマホが拡大、デジタル・ネイティブを持つ親の心得は?
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携帯電話の売上げはボーナス時期と3月に伸びる1。3月の伸びは子どもの進学・進級にあわせて親が買い与えるケースが多く、この時期、携帯電話会社は学割キャンペーンに力を入れる。
現在、携帯電話の契約数は既に日本の人口を超えているが2、子どもたちの保有状況はどうだろうか。
小学生の携帯電話保有率は高学年で2割弱だが、中学生では学年とともに3割から5割へと増え、高校生では全学年で9割を超える3。また、購入時期別に利用機種をみると、購入時期が最近であるほどスマートフォン比率が高く(図1)、子どもにもスマホが広がりはじめている。
親が子どもに携帯電話を与える理由は、子どもの年齢によらず圧倒的に「家族間でいつでも連絡がとれる」が多い4。このほか小・中学生の親では「塾や習いごとをはじめた」「持たせていると安心できる」、高校生の親では「子どもにせがまれた」「友だちとのつきあいに必要」があがる。近年、子どもを狙った物騒な事件も多く、防犯ブザーを無料配布する自治体もある。また、少子化でより教育熱が高まる中では塾や習いごとで帰りの遅い子どもも増えている。さらに、SNSの普及で友だちとのつきあい方も変化している。携帯電話は子どもたちにとって、なくてはならないものになりつつある。
しかし、親にとっては安心でもあり不安の種でもある。昨年はソーシャルゲームでの未成年に対する高額課金が話題となったが、2000年代初頭から出会い系サイトなどの問題もある。インターネットを介した犯罪は増えており、特に、児童関連の条例違反が増えている5。
ところで、今の子どもたちは、物心がついた頃からパソコンや携帯電話、インターネットが普及しており、情報技術を自在に操ることができるため、「デジタル・ネイティブ」と呼ばれる6。一方、デジタル・ネイティブの親たちは、人生のある時点で情報技術が進化し、それを取り入れていった世代であり、「デジタル・イミグラント(移民)」と呼ばれる。既に義務教育で情報技術を学ぶ「デジタル・ネイティブ」と、大人になってから独学で学ぶ者も多い「デジタル・イミグラント」では情報技術の知識に差が出るだろうし、価値観にも違いが出るだろう。
このような中では、親は子どもを情報社会の危険から守るすべを積極的に知ると同時に、子どもを正しい方向に導いていく上でデジタル・ネイティブ世代の特徴を把握することも有益だ。子どもを守るすべとしては、まずはフィルタリング・サービスの利用が効果的であり、総務省では携帯電話各社が無料で提供するサービスなどをわかりやすくまとめている7。また、デジタル・ネイティブ世代の定義には諸説あるが、おおむね1990年以降の生まれで、その特徴は(1)インターネットの世界と現実の世界を区別しない、(2)情報は無料だと考えている、(3)インターネット上のフラットな人間関係になじんでおり相手の地位や年齢、所属などにこだわらないとまとめられる8。
こういった話題になると、情報技術は人をずうずうしくさせる、礼儀知らずにさせるなど、とかく悪者になりがちだ。しかし、情報技術は既に必要不可欠な社会基盤であり、人々に多大な恩恵も与えている。また、更なる進化も止められない。このような中では情報社会がはらむ危険や子どもの人格形成に与える影響を十分認識しながら、情報技術の長所を活かすように子どもを導いていく方が現実的だろう。
先のデジタル・ネイティブの特徴を前向きに捉えると、(1)仮想と現実を分けない点は、例えば現実的には行くことが難しい海外の相手ともインターネットを通じて現実に会うのと変わらないコミュニケーションができる、と捉えることができるし、(2)情報は無料と考える点は、情報を選別する眼を養うことができる、また、誰もが情報を得やすいため、下地となる情報を共有した上で様々な議論を高めることができる、(3)フラットな人間関係になじんでいる点は、相手の肩書きではなく本質的な能力を見る眼を養うことができる、などと捉えることができる。
インターネットや携帯電話は親にとって不安も大きいが、子どもたちの可能性が伸びていくように上手く取り入れていきたいものだ。
※ 本稿は「子どもでもスマホが拡大、デジタル・ネイティブをもつ親の心得は?」BUAISO No.55を加筆・修正したものです。

http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/d_syohi/filtering.html(参照日2013年2月8日)
(2013年03月25日「研究員の眼」)
03-3512-1878
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