2013年01月31日

鉱工業生産12年12月~生産は下げ止まりへ

経済研究部 経済調査部長 斎藤 太郎

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■見出し

・10-12月期は3四半期連続の減産も、生産は下げ止まり
・在庫調整が進展
・1-3月期は4四半期ぶりの増産へ

■introduction

経済産業省が1月31日に公表した鉱工業指数によると、12年12月の鉱工業生産指数は前月比2.5%と2ヵ月ぶりの上昇となったが、先月時点の予測指数の伸び(前月比6.7%)、事前の市場予想(QUICK集計:前月比4.0%、当社予想も同4.0%)は大きく下回った。出荷指数は前月比4.4%と4ヵ月ぶりの上昇、在庫指数は前月比▲1.1%と5ヵ月連続の低下となった。
12月の生産を業種別に見ると、国内販売の持ち直しを背景に輸送機械が前月比6.9%の高い伸びとなったほか、輸出の低迷を主因として落ち込みが続いていた一般機械(前月比8.7%)、鉄鋼(同2.2%)がいずれも上昇に転じた。
10-12月期の在庫循環図を確認すると、7-9月期の「在庫積みあがり局面」から「在庫調整局面」へと移行した。出荷は前年比▲5.9%と7-9月期の同▲4.5%からマイナス幅が拡大したが、在庫の伸びが7-9月期の前年比4.8%から同3.6%へと鈍化した。7-9月期の在庫指数は前年比では増加しているが、前期比では▲2.4%の低下となっており、在庫調整が比較的順調に進捗していることを示している。
製造工業生産予測指数は、13年1月が前月比2.6%、2月が同2.3%、生産計画の修正状況を示す実現率(12月)、予測修正率(1月)はそれぞれ▲3.3%、▲3.1%と比較的大きなマイナスとなった。予測指数を業種別に見ると、1月、2月ともに増産の主役は輸送機械で、1月が前月比4.9%、2月が同4.5%と比較的高い伸びとなっている。輸送機械は12年春以降の生産減少の主因となっていたが、再び生産の牽引役となる可能性が高い。
景気後退の主因となった輸出は低迷が続いているが、中国をはじめとしたアジア経済に回復の動きが見られること、最近の円安が追い風となることから、年明け以降持ち直しに向かうことが予想される。
12年12月の生産指数を13年1月、2月の予測指数で先延ばし(3月は横ばいと仮定)すると、13年1-3月期は前期比5.5%の上昇となる。生産計画が大幅に下方修正される傾向が続いているため、この数字はかなり割り引いてみる必要があるが、13年1-3月期は4四半期ぶりの増産となることが見込まれる。

(2013年01月31日「経済・金融フラッシュ」)

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経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎 (さいとう たろう)

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴
  • ・ 1992年:日本生命保険相互会社
    ・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
    ・ 2019年8月より現職

    ・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
    ・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
    ・ 2018年~ 統計委員会専門委員

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