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- トリプルメディアと消費者-生保加入検討プロセスにおけるトリプルメディアの利用状況
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■見出し
1――はじめに
2――生命保険に関する情報源の利用状況とトリプルメディアへの分類
3――直近5年以内加入者の生保加入検討プロセスとトリプルメディア
4――結果と含意
■introduction
マーケティング関係者の間で「トリプルメディア」が一般的な用語になって久しい。トリプルメディアは、2009年にT.レベリヒトが米国cnet上に発表したレポートに端を発し、フォレスター・リサーチ社により同社のブログ上で詳細な定義が示されたものである1。当初は、オンライン・メディアのみを想定した分類として提示されており、主にインターネット広告業界を中心にオンライン・メディアの分類として注目されてきたが、現在ではすべての顧客接点にあてはめて考えるべきものとして概念拡張されており、あらゆる業界において消費者のブランド経験を高めるためにこれらのメディアを適切に組合せていく必要があることが指摘されている(図表 1)。
実際の消費行動においても、広告(ペイドメディア)で関心をもった商品・サービスについて、購買前に企業のウェブサイト(オウンドメディア)で会社やブランドについて調べ、口コミやネット上の評価(アーンドメディア)を確認した上で購入に至ることは珍しいものではなくなっている。近年では、インターネット環境下での消費行動は伝統的なAIDMAモデル2では説明できないとして、AISAS®モデルやAISCEASモデル3のように検索や比較および購買後の情報共有を購買プロセスに組み込んだモデルも提唱されるようになっている4。
生命保険においても、従来から、アーンドメディアの一つである家族や友人などからの口コミは、加入検討時の情報源として広く活用されてきた。近年では、さらに比較サイトで公開されているランキングやFPなどの専門家といった口コミ以外の第三者による情報の入手可能性が高まるなど、アーンドメディアの存在感はさらに増しつつあるように思われる。そこで本稿では、生命保険の加入検討プロセスにおけるこれらトリプルメディアの利用実態を把握するとともに、それぞれのメディアが果たしている機能について明らかにすることを試みる。分析には、弊社が2012年3月に実施した「生命保険マーケット調査5」の個票データを用いる。
(2012年11月29日「基礎研レポート」)
井上 智紀
井上 智紀のレポート
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