- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- アジア経済 >
- タイ7-9月期GDP:前年同期比+3.0%~内需は強いが、今後は伸び悩む見込み
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
■見出し
・内需は強い
・経済政策が奏功、ただし足もとでは減速ぎみ
■introduction
タイの国家経済社会開発委員会事務局(NESDB)は11月19日に2012年7-9月期の国内総生産(GDP)を公表した。実質GDP成長率は前年同期比(原系列)で+3.0%となり、4-6月期(同+4.4%)から低下した。また、前期比(季節調整値)で見ると1.2%の増加となり、こちらも4-6月期(同+2.8%)から減速している。
成長の内訳を需要項目別に見ると(図表1)、内需に関しては7-9月期の個人消費が前年同期比+6.5%、民間投資が同+16.2%、政府消費が同+9.0%、公共投資が同+13.2%であり、いずれも4-6月期の伸び率を上回っている(4-6月期はそれぞれ同+5.6%、+11.8%、+7.4%、+4.0%)。成長にマイナス寄与したのは在庫変動であり、寄与度で▲3.8%ポイントと、4-6月期の同+2.8%ポイントから見ると大幅に低下している。需要項目別に見れば、内需は総じて強かったと言えるだろう。
外需に関しては、7-9月期の輸出は前年同期比▲2.8%と4-6月期(同+1.1%)からマイナス成長に転じた。ただし、輸入についても7-9月期は前年同期比▲1.8%と4-6月期(同+8.6%)より急減速しマイナスに転じたため、純輸出の成長率への寄与度は4-6月期の▲4.2%ポイントから7-9月期の同▲1.1%ポイントに縮小した。
供給項目を見ると、7-9月期はGDPシェアで約4割に達する製造業が前年同期比▲1.1%とマイナス成長に転じたことが成長の抑制材料となっている(図表2)。またサービス業のうち、小売業も前年同期比+4.1%と4-6月期の同+5.4%から減速している。農業が前年同期比+8.6%(4-6月期は同+1.8%)、運輸・通信業が同+8.0%(4-6月期は同+7.5%)と好調さを保った産業もあったものの、輸出の鈍化を受けた製造業の低迷を補うには至らなかったと言える。
(2012年11月20日「経済・金融フラッシュ」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1818
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
高山 武士のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/05/01 | ユーロ圏GDP(2025年1-3月期)-前期比0.4%に加速 | 高山 武士 | 経済・金融フラッシュ |
2025/04/23 | IMF世界経済見通し-トランプ関税で世界成長率は3%割れに | 高山 武士 | 経済・金融フラッシュ |
2025/04/18 | ECB政策理事会-トランプ関税を受け6会合連続の利下げ決定 | 高山 武士 | 経済・金融フラッシュ |
2025/04/16 | 英国雇用関連統計(25年3月)-緩やかながらも賃金上昇率の減速傾向が継続 | 高山 武士 | 経済・金融フラッシュ |
新着記事
-
2025年05月02日
曲線にはどんな種類があって、どう社会に役立っているのか(その11)-螺旋と渦巻の実例- -
2025年05月02日
ネットでの誹謗中傷-ネット上における許されない発言とは? -
2025年05月02日
雇用関連統計25年3月-失業率、有効求人倍率ともに横ばい圏内の動きが続く -
2025年05月01日
日本を米国車が走りまわる日-掃除機は「でかくてがさつ」から脱却- -
2025年05月01日
米個人所得・消費支出(25年3月)-個人消費(前月比)が上振れする一方、PCE価格指数(前月比)は総合、コアともに横這い
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
【タイ7-9月期GDP:前年同期比+3.0%~内需は強いが、今後は伸び悩む見込み】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
タイ7-9月期GDP:前年同期比+3.0%~内需は強いが、今後は伸び悩む見込みのレポート Topへ