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10月の金融市場は全般的に見るとリスク回避優勢の色彩が強い状況になっている。先月決定された米国の量的緩和第3弾(QE3)は投資マインドにとってのプラス材料に違いないが、世界経済の減速というマイナス材料の影響が上回っているためとみられる。このため円は高止まり、日中関係の緊張という日本独自要因もあって債券が選好され、長期金利は再び低迷している。
そして11月もこの流れを引きずる可能性が高い。米国経済は堅調な指標が増えてきており、大統領選が終わることで不確定要素も一つ解消されるが、年末に控える財政の崖(増税+強制歳出削減)への懸念は依然拭えないほか、日本国内では景気後退懸念や企業の業績下方修正リスクが意識されやすいためだ。一方、スペインの支援要請といった欧州問題の進展や中国経済底打ちの兆しが見えれば、リスク回避が巻き戻されるというシナリオも考えられるが、その場合でも単独材料では力不足で効果は限定的に留まるだろう。
しかし、時間軸を半年後まで伸ばすと、市場のリスク回避度が緩和し、現状比でやや円安ドル高、金利高になっているという見方に変更は無い。欧州危機の緩和や中国経済の底入れ、財政の崖への政策対応が進むと考えられるためである。ただし、ユーロ為替については、現状は期待先行で高止まっているとみられるため、一旦は調整局面を迎え、半年後は現状比横ばい程度になるイメージだ。
(2012年10月31日「基礎研マンスリー」)
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03-3512-1870
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
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