- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 日本経済 >
- 消費者物価(全国12年9月)~コアCPI上昇率は当面ゼロ近傍の推移が続く見込み
■見出し
・コアCPIは5ヵ月連続のマイナス
・物価下落品目数の割合が3ヵ月連続で50%を上回る
・コアCPI上昇率はゼロ近傍の推移が続く見込み
■introduction
総務省が10月26日に公表した消費者物価指数によると、12年9月の消費者物価(全国、生鮮食品を除く総合、以下コアCPI)は前年比▲0.1%(8月:同▲0.3%)と5ヵ月連続のマイナスとなったが、下落率は前月から0.2ポイント縮小した。
コアCPIの内訳をみると、ガス代(8月:前年比4.1%→9月:同3.4%)の上昇幅は縮小したが、ガソリン(8月:前年比▲6.0%→9月:同1.8%)、灯油(8月:前年比▲4.2%→9月:同1.4%)がいずれも4ヵ月ぶりの上昇となり、東京電力の電気料金引き上げの影響から、電気代(8月:前年比5.5%→9月:同7.3%)の上昇幅が拡大したため、エネルギー価格の上昇率は8月の前年比0.9%から同4.3%へと大きく拡大した。エネルギー価格がコアCPI上昇率を前月に比べ0.3ポイント押し上げた。
一方、プリンタ、外国パック旅行の下落幅拡大などから、教養娯楽の下落率が8月の前年比▲1.2%から同▲2.1%へと拡大し、コアCPI上昇率を0.1ポイント程度押し下げた。
コアCPI上昇率のうち、エネルギーによる寄与が0.37%(8月は0.07%)、食料品(生鮮食品を除く)が▲0.02%(8月は0.00%)、その他が▲0.45%(8月は▲0.37%)であった。
消費者物価指数の調査対象524品目(生鮮食品を除く)を、前年に比べて上昇している品目と下落している品目に分けてみると、9月の上昇品目数は193品目(8月196品目)、下落品目数は267品目(8月は270品目)となった。上昇品目数の割合は36.8%(8月は37.4%)、下落品目数の割合は51.0%(8月は51.5%)、「上昇品目割合」-「下落品目割合」は▲14.1%(8月は▲14.1%)であった。物価下落品目数の割合は3ヵ月連続で50%を上回った。コアCPIの下落率は0.2ポイント縮小したが、品目数で見れば前月までと状況は変わっていない。
エネルギー価格は先行きも物価押し上げ要因となることが見込まれるが、ここにきて景気悪化が鮮明となっているため需給面からの下押し圧力が高まる可能性がある。コアCPI上昇率は当面ゼロ近傍で推移することが予想される。
このレポートの関連カテゴリ
03-3512-1836
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年04月24日
米国でのiPhone競争法訴訟-司法省等が違法な独占確保につき訴え -
2024年04月23日
他国との再保険の監督に関する留意事項の検討(欧州)-EIOPAの声明 -
2024年04月23日
気候変動-温暖化の情報提示-気候変動問題の科学の専門家は“ドラマが少ない方向に誤る?” -
2024年04月23日
今後お金をかけたいもの・金融資産 -
2024年04月23日
今週のレポート・コラムまとめ【4/16-4/22発行分】
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年04月02日
News Release
-
2024年02月19日
News Release
-
2023年07月03日
News Release
【消費者物価(全国12年9月)~コアCPI上昇率は当面ゼロ近傍の推移が続く見込み】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
消費者物価(全国12年9月)~コアCPI上昇率は当面ゼロ近傍の推移が続く見込みのレポート Topへ