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- 韓国2012年4-6月期GDP:前期比+0.4%~成長は再び減速、低成長が長引く可能性も
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■見出し
・現状:再び減速へ
・今後:低成長が長引く可能性も
■introduction
韓国銀行(中央銀行)は7月26日、2012年4-6月期の実質国内総生産(GDP)を公表した。前期比(季節調整済)では0.4%の増加となり、1-3月期の同+0.9%から成長が減速したことが明らかになった(図表1)。
GDP成長率を需要項目別に見ると、4-6月期は個人消費でプラス成長が続いたものの、その他の投資、輸出、輸入はすべて前期比マイナスとなった。特に設備投資が同▲6.4%と大幅縮小したため、投資全体で▲2.3%と大きなマイナス成長を記録している。設備投資は、1-3月期に前期比+10.3%と2桁増を見せていたため、その反動減というテクニカルな理由が考えられるものの、需要減速によって生産活動が低迷しているという要因も大きいと思われる。また、韓国経済の原動力と言える輸出も、4-6月期は前期比▲0.6%とやや縮小している。輸入の落ち込み(前期比▲1.7%)の方が輸出の落ち込みより大きかったため、純輸出のGDP成長率への寄与はプラスであったが、内外需ともに経済活動が低迷している結果だったと言って良いだろう。
供給項目別に見ると(図表2)、主要産業である製造業が前期比▲0.1%とマイナス成長に陥ったことが成長を減速させている。輸送機器の生産は伸びたものの、鉄鋼や電気・電子機器の生産が不振だったことが製造業全体の成長を押し下げている。
韓国経済は2012年1-3月期にいったん底打ちの兆しが見られていたが、長続きせず、今回発表された4-6月期のGDPでは予想以上に成長が減速する結果となった。成長率は前年同期比(原系列)で見ても2.4%の増加にとどまり、1-3月期(同+2.8%)から低下、トレンドとしては2010年以降、2年半にわたって減速が続いていることになる。
(2012年07月26日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1818
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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