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長寿年金普及を目指す米国政府と生保業界―退職資産の終身年金化を奨励する税制改正の動向を中心として―
小松原 章
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■見出し
1――高齢化の進展や確定給付プランの減少にともない終身年金の必要性高まる米国勤労者
2――退職貯蓄の終身年金受け取りを奨励する米国政府の動き
■introduction
米国の高齢者(65歳以上の者)の占率は2010年時点で13 %でわが国(23%)ほど高齢化が進展していないものの、長期的にはこの比率が上昇し、2050年には21.6%に達すると予測され、着実に高齢化が進展する見込みである。また、高齢化を平均寿命という観点から見ると、国連の調べでは現在(2010年から2015年)、男性76.2歳、女性81.3歳であるところ2050年にはそれぞれ81.1歳、86.2歳になるものと見込まれ、高齢化社会における生活設計にいっそうの関心が寄せられている。
このような中で、米国では、わが国とは対象期間が異なるものの戦後のベビーブーマー期(米国では1946年から1964年生まれの者が対象)の世代がここへきて本格的な退職時期を迎えており、長い老後に対処する安定的な生活資金を確保するために、公的年金では不足する部分を自己の退職資産(Retirement Assets)の活用により、いかに効率的に管理していくかが重要な課題として認識されている。
そこで、この老後の生活資金の基礎となる退職資産残高について見ると下表のとおりであり、2011年末時点で17.9兆ドル(1ドル80円換算で約1,430兆円)となっている。これらの資産は、公的年金に上乗せする形での生活資金財源となる。
(2012年06月11日「保険・年金フォーカス」)
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