2012年04月12日

3月マネー統計~被災地での資金需要増加が加速

経済研究部 上席エコノミスト 上野 剛志

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■見出し

・貸出動向:6ヶ月連続の前年比プラス
・マネタリーベース:3年7ヵ月ぶりの前年割れに
・マネーストック:投資信託の低迷続く

■introduction

日銀が発表した3月の貸出・資金吸収動向等によると、銀行総貸出(平残)の前年比伸び率は0.9%(前月は同0.8%)と6ヶ月連続の前年比プラスとなった。プラス幅は引き続き月を追うごとに拡大している。
業種別の内訳では、地銀が前年比2.1%増(前月改定値は同2.0%増)、都銀等が同▲0.2%減(前月は▲0.5%減)。都銀のマイナスは続いているものの、マイナス幅の縮小が進んでおり、プラス反転も見えてきた(図表1~3)。

貸出の増加要因に関しては、従来同様、「燃料費が増加する中で社債発行が困難な電力会社による資金需要」、「被災地での復旧・復興に伴う資金需要」、「M&Aに伴う資金需要」が寄与していると考えられる。このうち被災地での資金需要については被災3県の貸出残高が月次で確認できるが(2月分まで)、最近では貸出増加の加速がみられる(図表4)。

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経済研究部   上席エコノミスト

上野 剛志 (うえの つよし)

研究・専門分野
金融・為替、日本経済

経歴
  • ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
    ・ 2007年 日本経済研究センター派遣
    ・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
    ・ 2009年 ニッセイ基礎研究所

    ・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)

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