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- 貿易統計12年1月~大幅な貿易赤字が続く
■見出し
・貿易収支 (季節調整値)は10ヵ月連続の赤字
・1-3月期も外需が成長率の下押し要因に
■introduction
財務省が2月20日に公表した貿易統計によると、12年1月の貿易収支は▲14,750億円と4ヵ月連続の赤字となり、ほぼ事前の市場予想(QUICK集計:▲14,325億円、当社予想は▲15,556億円)通りの結果となった。
原数値の貿易赤字が前月(▲2,056億円)から大きく拡大したのは、1月はもともと正月休みの影響で輸出量が少なく貿易赤字になりやすいという季節性も影響しているが、季節調整済の貿易収支も▲6,128億円と10ヵ月連続の赤字となり、12月の▲5,687億円から赤字幅が拡大した。ただし、中国の旧正月が昨年よりも早かったことが輸出の下押し要因になっている可能性が高く、輸出、貿易収支の基調を判断するためには2月と均して見ることが必要だろう。
なお、貿易収支が大幅な赤字となったことで、1月の経常収支(原数値)は赤字となる可能性が高くなった(現時点では▲2,400億円程度の赤字を予想)。ただし、貿易収支と同様に経常収支も1月は赤字になりやすい月で、09年1月にも経常赤字を記録している。季節調整済の経常収支は黒字を維持することが見込まれるため、経常収支が基調として赤字に転落するわけではない。
1月の輸出数量指数を地域別(当研究所による季節調整値)に見ると、米国向けが前月比▲1.1%、EU向けが同0.9%、アジア向けが同▲4.9%、全体では同▲1.7%となった。米国向けは3ヵ月ぶりに低下したが、1月の水準は11年10-12月期を4.9%上回っており、米国経済の底堅さを受けて増加基調を維持していると判断される。一方、アジア向けは同地域の景気減速を反映し低調な動きが続いている。
10-12月期のGDP統計では輸出が前期比▲3.1%と大幅な減少となり、外需が前期比・寄与度▲0.6%と成長率を大きく押し下げた。欧州の景気後退、アジア新興国の景気減速を背景とした輸出の減少が続くことから1-3月期も外需が成長率の下押し要因となることが見込まれる。ただし、米国向けの輸出が堅調を維持していること、タイの洪水による下押し圧力が解消に向かっていることから、外需のマイナス幅は10-12月期よりも縮小することが予想される。
(2012年02月20日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1836
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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