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2月日銀決定会合:追加緩和実施、物価目標1%導入
総合政策研究部 研究理事 チーフエコノミスト・経済研究部 兼任 矢嶋 康次
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■introduction
今回の決定会合の内容はかなりサプライズだった。
ひとつは物価目標の明確化を今回の決定会合で行なってきたこと、もうひとつは追加緩和(基金55⇒65兆円)が実施されたことだ。
物価目標の明確化については、筆者はFRBが踏み込んでいる以上、日銀も少し時間をかけて明確化してくると予想していた。しかし、今回変更してきたことはかなり意外であった。
日銀は、「中長期的な物価安定の理解」を「中長期的な物価安定の目処」と変えた。これまで日銀は望ましい物価上昇率について、「2%以下のプラスで、中心は1%程度」としていたが、「当面は1%目処」と従来より明確にしてきた。
ただ、いつまでに1%を達成するのかという時期は明確ではない。追加緩和を主張する側からすれば、絶好の材料を提供したようにも思え、今後「中長期的な物価安定の目処」を巡りさらに議論が高まるだろう。
追加緩和については、事前予想では見送りが有力だった。昨日発表された10-12月GDPが2四半期ぶりのマイナスとなり国内景気の足踏み状態が確認されたとはいえ、底堅い米国景気を背景に円高圧力が和らいでいるのに加え、ギリシャ問題が一応の進展を示し欧州問題が収まっているため、日銀は動かないとの見方が強かった。
筆者は物価目標の明確化については評価するが、今回の追加緩和については評価できない。景気認識の下方修正も今回行なわれておらず、「なぜ」追加緩和が必要だったのかがわからない。
今回の日銀の動きがデフレ脱却に強い姿勢を示したとの評価も可能だ。
しかし、政治の圧力はここ1-2週間強まっていて、今回の日銀の決定は圧力に屈し、今後日銀は際限なく追加緩和に進んで行くという印象を与えてしまったとの評価もできるように思える。
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