2012年02月10日

2月ECB政策理事会:政策金利変更は検討せず。ギリシャ政府債務再編には利益分配の範囲での対応は可能

経済研究部 常務理事 伊藤 さゆり

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■見出し

・新たな決定は12月理事会決定を受けた各国中銀の担保要件緩和の承認のみ
・ギリシャ政府債務再編には利益の分配の範囲での対応は可能との判断

■introduction

9日開催の2月の欧州中央銀行(ECB)政策理事会では、12月の決定を受けた各国中銀の担保要件緩和の承認以外の決定はなく、「政策金利について協議しなかった(ドラギ総裁)」。
信用収縮の懸念は消えていないが、足もとでは景気悪化のペースは鈍りつつある。3年物資金供給の効果を見極めるためにも、ECBは当面、様子見を継続する可能性が高いと思われる。
記者会見ではギリシャ政府の債務再編に関するECBの関与についての質問が相次いだ。ドラギ総裁はユーログループ(ユーロ圏財務相会合)の決定を待つとして具体的コメントを避けたが、ECBへの出資比率に応じて利益を分配する範囲での債務交換は条約に抵触しないとの解釈を示し、限定的な関与の可能性を示唆した。

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経済研究部   常務理事

伊藤 さゆり (いとう さゆり)

研究・専門分野
欧州の政策、国際経済・金融

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