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- 鉱工業生産11年4月~自動車生産は6月にほぼ震災前の水準まで回復する見込み
■見出し
・震災後の生産の落ち込みは短期間で歯止めがかかる
・輸送機械の生産は6月にはほぼ震災前の水準まで回復の見込み
■introduction
経済産業省が5月31日に公表した鉱工業指数によると、4月の鉱工業生産指数は前月比1.0%と2ヵ月ぶりに上昇したが、事前の市場予想(共同通信集計:前月比2.2%、当社予想は同3.3%)は下回った。出荷指数は前月比▲2.7%と2ヵ月連続の低下、在庫指数は前月比0.5%と2ヵ月ぶりの上昇となった。
4月の生産を業種別に見ると、情報通信機械(3月:前月比▲8.0%→4月:同▲17.2%)、電子部品・デバイス(3月:前月比▲6.6%→4月:同▲12.7%)は低下幅が拡大し、3月に前月比▲46.7%と過去最大の落ち込みを記録した輸送機械も同▲1.5%と生産水準をさらに切り下げたが、一般機械(3月:前月比▲14.5%→4月:同12.8%)、精密機械(3月:前月比▲12.9%→4月:同24.7%)などが急回復した。速報段階で公表される16業種中、8業種が前月比で上昇、8業種が低下となっており、業種毎に復旧のペースに開きが出ている。
3月の生産は単月では過去最大の落ち込みとなったが、震災に伴う一時的なショックによる部分が大きかった。世界的な需要の急減によって景気の大幅な悪化が続いたリーマン・ショック後とは異なり、生産の急激な落ち込みは短期間で歯止めがかかった。
財別の出荷動向を見ると、設備投資のうち機械投資の一致指標である資本財出荷(除く輸送機械)は1-3月期に前期比▲2.4%と7四半期ぶりにマイナスとなった後、4月は前月比9.7%の急上昇となった。また、建設投資の一致指標である建設財出荷は1-3月期に前期比▲0.5%と5四半期ぶりのマイナスとなった後、4月は前月比5.5%となった。毀損した生産設備の復旧に向けた動きを反映したものと考えられる。
一方、消費財出荷指数は1-3月期に前期比▲7.8%と2四半期連続で低下した後、4月は前月比▲9.1%と大幅に低下した。特に、耐久財の落ち込みが大きかった(耐久財:前月比▲20.8%、非耐久財:同▲2.7%)が、これは工場被災、サプライチェーンの寸断によって自動車の生産、出荷がほとんど停止してしまったことによるものであり、必ずしも個人消費の弱さを反映したものとは言えない。
(2011年05月31日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1836
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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