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- 貿易統計11年1月~アジア向けを中心に輸出の伸びが急低下
■見出し
・貿易収支は1年10ヵ月ぶりの赤字
・アジア向け輸出の急減速は一時的な要因の可能性も
■introduction
財務省が2月23日に公表した貿易統計によると、11年1月の貿易収支は▲4,714億円の赤字となり、事前の市場予想(共同通信集計:659億円、当社予想は▲287億円)を大きく下回った。輸入の伸びが前月よりも高まる(12月:前年比10.6%→1月:同12.4%)一方、輸出の伸びが急低下した(12月:前年比12.9%→1月:同1.4%)ため、貿易収支は1年10ヵ月ぶりの赤字となった。1月は正月休みの関係でもともと輸出金額が少なく赤字になりやすいという季節性がある(過去10年間のうち4回が赤字)ため、このこと自体を悲観的にみる必要はないが、季節調整済の貿易収支も前月から黒字幅が大きく縮小した(12月:5,799億円→1月:1,918億円)。輸出(季節調整値)は5ヵ月連続、輸入(季節調整値)は4ヵ月連続で前月よりも増加したが、輸入の伸び(前月比8.5%)が輸出の伸び(前月比1.0%)を大きく上回った。
輸出の内訳を数量、価格に分けてみると、輸出数量が前年比2.3%(12月:同11.4%)、輸出価格が前年比▲0.8%(12月:同1.4%)であった。輸入の内訳は、輸入数量が前年比11.2%(12月:同7.7%)、輸入価格が前年比1.1%(12月:同2.7%)であった。
中東、北アフリカ情勢の混乱を背景に原油価格が急上昇している。1月の通関(入着)ベースの原油価格は1バレル=92.1ドルとなったが、2/22時点でドバイ原油は1バレル=104.3ドルまで上昇し、WTI先物(2/22時点、1バレル=93.57ドル)よりも10ドル程度高くなっている。日本は原油の9割近くを中東から輸入しているため、2月以降、入着ベースの原油価格はさらに上昇し、貿易収支の下押し要因となる可能性が高い。
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03-3512-1836
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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